私の夫
「ねぇ、何を書いてるの?」
朝日が差し込むきらきらした部屋で
私は夫に尋ねた。
しかし集中しているのか、聞こえていないようだ。
いつものことで呆れながらも
寂しい気持ちに知らないふりをする。
「朝から大変ね。寒いでしょうに。」
そして私はいつものように
近くの椅子に丸まり彼を見つめる。
少し伸びてきた薄い髭。
眠たそうでいて強い瞳。
彼が気にしているふっくらしたおでこ。
私の好きな夫。
今日はどんなお話を書いているのかしら。
私はまた、返事がこないと思いながらも
彼に聞いてしまうのだ。
「ねぇ、何を書いているの?」
ふっくらしたおでこがこちらを向く。
私の好きな、彼との日常。
読んで頂きありがとうございます。