第30夜 子供の頃に出会った変な商売をしているオジサン
こんばんは。
枕崎純之助です。
もはやワン・シーズンごとの更新となりつつある『Pillow Talk』を久々にお届けしたいと思います。
前回が1月29日の投稿でしたからおよそ2ヵ月半ぶりくらいですかね。
前回を『冬のPillow Talk』と銘打つと、今回は『春のPillow Talk』となります。(もうちょっとガンバレ)
誰ですか?
サボリ魔とか言ってるのは。
このペースなら年に4回も更新できるんですよ!
サンタ・クロースや節分の鬼よりも勤勉です!(意味不明)
さて、この時期になると真新しいランドセルを背負った新一年生たちが元気に登校する姿を目にします。
一年生って元気いっぱいですよね。
友達100人できるかな?(古い)
そんな小学生たちを見てふと思い出したのですが、自分が小学生低学年くらいの頃、下校途中の道に奇妙なオジサンがいて、路上で奇妙な商売をしていたことがあったんです。
そのオジサンは簡易的な椅子に腰掛け、目の前にバケツくらいの大きさのこれまた簡易的な丸テーブルを置いていました。
学校帰りの子供たちが数人、そのオジサンの周りに群がっていたので、僕もつい気になってその輪の中に加わります。
すると白い布の引かれた丸テーブルの上で小さな人形たちが何やらチョコマカ動き回っているのです。
少し記憶が曖昧なのですが、小指の先ほどの小さな人形は赤、青、緑、黄色、ピンク、黒など6種類ほどだったと思います。
それは爪楊枝と折り紙で作った簡易的な人形でしたが、下に磁石がついていてオジサンが丸テーブルの下から磁石を使って人形たちを操っていたのです。
それ自体は別にどうということのない細工なのですが、オジサンの腕前がなかなかもので、人形たちはまるで生きているように動いていました。
そしてオジサンが人形の動きに合わせて調子よく喋りまくります。
「悪者たちをやっつけるため、赤レンジャーたちが大活躍! アチョーアチョー!」
みたいな感じでした。
今にして思えばしょうもないお遊びです(笑)。
けど、小学生だった自分はすっかりこのオジサンの謎のショーに魅了されてしまいました。
そして謎のショーを終えると、オジサンはカバンの中からプラスチックのケースをいくつも取り出します。
ケースの中には6個の人形一式がセットになって入れられていました。
「はい。このセット、1個で何とたったの100円。皆もこれで遊んでみないかい? オジサンここで待ってるから、おうちに帰ってお金持ってきてね」
実演販売!
あやしさ満載です(汗)。
ですがおバカな少年だった僕はすっかりオジサンの口車に乗せられ、走って家に帰ります。
もしこの時に100円を持っていたら、即決で購入していたでしょう。(馬鹿)
帰宅した僕は母に事情を説明し、100円をおねだりします。
「すごいオジサンがすごい人形を売ってるんだよ! それ欲しいから100円ちょうだい!」
「ダメに決まってるでしょ。そんなオジサンに近付いちゃいけません!」
即却下です。(当たり前だ)
期待に胸を膨らませていた僕はガックリとうなだれました。
あの人形を買ってオジサンのように華麗に操るという枕崎少年の夢はこの時、儚くも断たれたのです。(アホ)
周りの友達たちのうち、あれを買ったという子は誰もいなかったので、おそらく皆、僕と同じように親に却下されたのでしょう。
その後、下校途中に何度かそのオジサンを見かけることはありましたが、数日のうちにいなくなっていました。
おそらく保護者や学校から何らかの注意を受けたのだと思います。
今にして思えば不思議なのですが、あのオジサンは何者だったのでしょうか。
どこから来て、どこで暮らしていたのか。
おそらく60歳は過ぎていたと思いますが、身なりは普通の方だったと思います。
そしてあの実演販売は何と言う商売なのか。
あの人形たちをセッセと作って子供相手に100円で販売していた謎のオジサン。
とてもあれで生計を立てていけるとは思いません。
単なる工作好きのオジサンが趣味でやっていたことなのか?
子供時代の不思議な思い出でした。
今ああいうことをしていたら、すぐに不審者情報が回って、警察から注意を受けるでしょうね。
さて、夜も更けてまいりましたし、今夜はこの辺にしましょうか。
これにて『春のPillow Talk』が終わりましたので、次は『夏のPillow Talk』でお会いしましょう。(やる気出せ)
おやすみなさい。
今宵もいい夢を。
またいつかの夜にお会いしましょう。




