他人の空似
フィクション
「調子こくなよ?」
そんな文句言われてる、僕がこの物語の主人公です。汗。
何を聞き間違えたのか、先輩に呼びだされました。
なぜかこの先輩は先輩の恋人さんと僕がつるんでるんじゃないか。何かにおう。と勝手に思い込みそうなっているようです。少しずつだけど状況が理解できてきました。
それなら簡単です。先輩の恋人さんとは何もないですよ。そう言うだけだからです。
ですが、言ったところで本気にしてくれないのがこの先輩の…よく言うと良いところ。悪く言うとバカなところ。
「せ、先輩の恋人さんとは本当に何にもないですから!先輩の恋人さんに話を聞いてみてください!」
そこまで言うと、少し冷静さを取り戻したのか少しだけ、ほんの少しだけ解放してくれました。
パーセンテージで言うと45%くらい。
「じゃあなんで昨日一緒に根津レンタルでDVD借りてたんだよ!?」
んんん?と思いました。
んんん?と。
「えっと、たぶんですけど偶然か他人の空似じゃないですかね?」
「俺の友達が見たって言ってんだから間違いねぇよ!!」
「確かに根津レンタルには行きましたが友達とですし、恋人さんらしき人には会ってないんです、それは事実なので ヒギェ」
パーセンテージで言うと15%。
首元をつかまれてます。痛いです。
「先輩、先輩待って。」
小さなレンタルビデオ屋さんですが、町に1軒しかないから、偶然先輩のお友達が見たっておかしくはないけど…。
「で、でもハヤトと行ったからハヤトに聞いてくれれば…。」
「やっぱり行ったんじゃねぇか!!」
「「ええーーー」」
全俺が泣いた。
LGBTだったのです。
しかも先輩(男)の彼氏さんは1学年下の僕の友達…。
「そうとは知らず、申し訳ありません。以後気をつけます。」
と、解放された僕。