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イマジの、両者を会わせる策は決まった。

宴会が盛り上がるという副産物までついて。

困ったのは、イマジから事の次第を聞いたホミキとナカテであった。

「イマジ様!勝手にそのようなことをなされては困ります!イヨ様にもしものことがあったら・・・」

ホミキが泣きそうな顔で訴えた。

イマジは笑いながら言う。

「カヒト殿はそのような人ではない。それにイヨ殿が本人を見て、自分で決断なさったのだ。イヨ殿を信頼されよ。」

「そうするほかありません、ホミキ殿。それにイヨ様はああ見えてお強い方だ。」

ナカテは諦めたような顔で言った。

イマジは笑い続けている。

「それにカヒト殿の部屋とこの部屋で連絡がとれるよう、従女を往来させるから安心なさい。他の者に怪しまれない程度にしかできませんがね。」

それを聞いてしぶしぶホミキも納得した。


イヨはカヒトの部屋の前まで来た。

すでにカヒトは部屋に戻っているはずである。

イヨは深呼吸して部屋に入った。

「お待ちしておりました。イヨ様。」

カヒトは礼をする。

「狗奴国公子のカヒト様だと、イマジ様から伺いました。」

イヨもカヒトに頭を下げた、がカヒトに静止された。

「一国の王となる人が、たかだか公子に頭を下げてはなりません。」

「私は国王ではありません。なれるのかすらも危うい者です。」

イヨの声には憂いがあった。

「しかし、貴女はならねばならない。貴女以外に邪馬台国を治められる人間はいないでしょう。」

「私にそれほどの実力は・・・」

「あります。」

イヨの言葉を遮ってカヒトは断言した。

「確かに貴女は未熟です。今のままでは治まらぬかもしれません。しかし、貴女の持っているモノは倭国大安をもなせるかもしれない。」

イヨはクスクスと笑った。

「イマジ様の言われた通りの方ですね。」

「イマジ様は私の事をなんと?」

「国にとらわれず倭国大安を夢に描く者だと。臥龍ともおっしゃっておりました。」

「私が臥龍とは、恐れ多い。」

今度はイヨがカヒトに対して言った。

「カヒト様は確かに臥龍とお見を受けします。大才を持っていらっしゃる。」

「まるで姉上のようなことを言う。」と、内心カヒトは思った。

そのことは口に出さず、カヒトは本題に入る。

「イヨ様がここにいらっしゃるということは、投馬国に援助を求めていらっしゃるのですね。」

「はい。伊都国では断られてしまいました。」

イヨは俯いてこたえた。

「そうですか。それで、イマジ様は何と?」

「貴方次第だと。」

イヨのこたえに、カヒトは驚いた。

イマジ様はそこまで私のことを評価してくれているのか。

邪馬台国を助けるか、中立を保つか、狗奴国と組むかという国の一大事を、狗奴国の人間であるカヒトに委ねようというのである。

並大抵のことではない。

「そうですか。イマジ様には私からイヨ様を助けるようお願いしましょう。」

「それでは・・・」

イヨの顔が明るくなった。

「邪馬台国を、邪馬台連合を治められるのはイヨ様のみです。」

「ありがとうございます。」

イヨは涙を浮かべ、しかし笑ってカヒトに礼を述べた。

「美しい方だ。」

カヒトはイヨをそう思った。

カヒトが、女性を美しいと思ったのはミマ以外では初めてである。

「イヨ様。どうか自信を持って国をお治めください。貴女なら必ず出来ます。」

カヒトはイヨに語った。

イヨは泣きながら何度も頷いた。


従女の部屋で、イマジは報告を受け取った。

「カヒト殿はイヨ殿に援助するよう私に頼んだよ。」

「それでは・・・」

緊張した面持ちでナカテが尋ねる。

「投馬国はイヨ殿に援軍を出そう。」

それを聞いたホミキとナカテは手を取り合って喜んだ。

「カヒト殿は確かに偉人であるらしい。これで自分の使命は果せなくなるというのに。」

ナカテはカヒトという人物の凄さがわかった。

「カヒト殿のことだ。巧くやるだろう。」

イマジは言った。

問題は自分の身の振り方である。

中立の立場でありながら邪馬台国の内乱に介入しようというのである。

しかも、狗奴国の言葉に逆らって。

これからが大変だ、とイマジは思った。

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