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いつの時代にもバカというものはいるもので、ここにいるバカは稀に見る超ド級のバカだった。
風薫る夏の高原で、一人の少年は突拍子もないことを言い放った。
「よし、王様になるわ」
周りの皆はそれを冗談だと思い、その発言をからかった。
そのせいなのかはわからないが、それから3年後。少年が17歳になった時、そこに新しい王国ができようとしていた。
「じゃあ、今日この時刻を持って、ここに新たな国の設立を宣言しますっ!」
王の座についた彼がそう口にすると、片手で数えられる程度の部下たちはケラケラと腹を抱えて笑っていた。
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