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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

怖い話作りました~ケータイ電話~

作者: ナウル

怖い話を作りたかったので作りました。

ほんとはサクッと読めるのにしたかったのですが、書いてく内に長くなってしまいました。

軽いグロテスクな描写があるので、ダメな人は気を付けてください。


設定が複雑かつ理論的ではありませんが、そこは怖い話ということで見逃してください(笑)


一発ものです。

土曜日

ケータイが一つ壊れてしまった。仕事用とプライベート用があるんだが、そのうちの仕事用を壊してしまったんだ。勿論すぐに新しいのを買ったんだけどな。


新しい機械を買うたびにはしゃいでしまう俺は、自分や部屋、飼ってる犬をパシャパシャカメラでとっていた。


しばらくはしゃいだんだ。多分二時をすぎたころだと思う。明日も休みだから一日中グダグダしようかなと思っていたころに思い出した。

連絡先を登録してなかった。すっかり忘れてたが、登録しなければいけない連絡先はたくさんあった。めんどくさいな、明日休みだし起きてからやろうなんてことで、その日は寝ることにした。


日曜日

朝起きると、昨日買ったケータイはなかった。小さなテーブルの上に置いておいたはずだった。何故だろうか、不思議だった。

仕方なくそのケータイに電話をしようと、プライベートケータイを開くと、三件ほどメールが入っていた。一つ目は友人から、二つ目は広告。問題は三つ目だった。知らないアドレスから、タイトルも本文もないメールが来ていた。気味が悪かった。誰からのメールなのか気になるが、返そうとは思わなかった。別に何かあったわけじゃないし、イタズラかも、間違えたのかも、そんな風に思いながらメールを消した。


電話をしたら、無くしたケータイはすぐに見つかった。洗面所の棚に置いてあった。

昨日トイレから出たときにでも置き忘れたのかと思って、特に気にもしなかった。


プライベートケータイのアドレスを作ろうとしたら、もうアドレスが出来ていた。めちゃめちゃな数字や記号が並ぶアドレスだ。俺が作ったわけではない。サポートセンターに電話してみたが、理由は分からなかった。何かの手違いかもしれないと言われたが、アドレスを登録しなおすことが出来るから、あまり気にしないことにした。


休みの日にしかまともに散歩に連れていってやれないため、愛犬を散歩に連れていくことにした。いつも散歩しているところは、ゴミ捨て場の前を通るんだが、犬が何故かゴミ捨て場に向かって歩き出したんだ。汚いからそっちに行くなって何度も引っ張ったが、聞いてくれなかった。一体何がそんなに気になるのか、犬がゴミ山の中から引っ張り出してきたのは、中の見えない黒い袋だった。なんだか変な臭いがした。生臭いというか、とにかく気持ち悪い臭い。何が入ってるのか分からなかったが、気味が悪かった。そうこう考えてるうちに、犬が袋を食いちぎってしまった。袋の中はあまり見たくなかったが、見てしまった。手だ。人間の手が入っていた。パニックになった俺は犬を連れてすぐにそこから立ち去って、すぐに警察に連絡した。

あまり詳しいことは分からなかったためすぐ解放されたが、また何か分かったら連絡するとのこと。

俺は家に帰っても、怖くてどうしても眠れなかった。



月曜日

朝起きるとしっかりケータイは両方ともあった。仕事用のケータイを開くと、連絡先の「た」行が開かれていた。仮名だけど、こんな感じ。


・竹達(上司)

・田渕(上司)

・津田(同僚)

・富井(俺)

・豊田(部下)


そういえば昨日連絡先開いたまま寝たかもしれないなと、特に気にしてなかった。


会社ではある話題で持ちきりだった、上司の竹達が亡くなったのだ。さらに俺が驚いたのは、昨日の袋に入っていた手が竹達のものだったということだ。仕事の上司と言う関係でしかなく、特に話したことはなかったため、悲しいというよりは恐ろしいという気持ちしかなかった。



火曜日

朝、仕事用ケータイはあったが、少し移動してたような気がした。気のせいだろうと思ったが、やはり気味が悪かった。最近次々とおかしなことが起きていたため、不安がたまっていった。

プライベート用のケータイにはメールが入っていた。これがさらなる不安に繋がることになる。

自分の仕事用のケータイからメールが入っていた。夜中の三時にメールが来ていたのだ。そのとき自分は寝ていたはずだった。一体何故だろうか。

最近おかしなことがたくさん起こっている。そこで、あることを思い出した。

ケータイ買った翌日に知らないアドレスからメールが来ていたこと。

勝手に仕事用のケータイのアドレスが作られていたこと。


気持ち悪くてメールをすぐ消してしまったから気付かなかったが、そういえば来てたメールのアドレスと、勝手に作られていたアドレスが似ていたような気がする。さっきのメールは仕事用のケータイからのメールだった。さらに寝ている間に消えていたケータイ。


まさか、誰かが勝手に使っている?

でも誰が?どうやって使っているんだ?そもそも家に入れないと使えない…。

つまり、この家に誰かが住み着いている?

なんてことを考えていると、とにかく怖くなってきていた。

家の中を探索するが、特に人なんていなかった。ただの思い過ごしかもしれない。よく考えたら偶然が重なっただけなのかも。そう納得しようとしたときだ。

仕事用のケータイのsdの容量が減っていることに気が付いた。本体容量ばかり使っていた自分は、このことに気が付いていなかった。

中を見ると、さらに背筋が氷るような思いをした。


バラバラの竹達を見てハシャグ人間の動画が入っていたのだ。かなり驚いた。吐くかと思った。

このケータイを勝手に使っているやつがいることは確定した。

竹達をバラバラにしたのも誰なのか確定した。

このケータイを使っているやつだ。

だがどうする?警察に説明しようにも、こんなの見せたら疑われるのは俺だ。じゃあどうする。そうだ、動画に犯人の顔が写ってれば!グロテスクで異常なその動画が、どんどん進んでいく。そろそろ終わりにさしかかったときに、ついに犯人の顔が写った。自分の目を疑った。そこにはニタニタ笑う自分の顔が写っていたのだ。

こんなの警察に見せたら間違いなく俺が捕まる。でもまて、これは俺じゃない!でも写ってるのは自分だ。どちらにせよ、なにか手がかりが見つかったりしたら俺が疑われるのは時間の問題だろう。だが、俺は殺してなんかいない。捕まるわけなんかない。


電話がなった。警察からだ。

怖かった。捕まるんじゃないかとも思った。いや、ポーカーフェイスだ。とにかく堂々と電話に出ろ。ここで出ないと疑われてしまうかもしれない。


電話に出たら、予想してたのとは違う内容だった。

田渕が死んだのだ。

何か知らないかって聞かれたが、何も知らないと答えた。

また会社で関係者に聞き込みをすると言っていた。

社員が二人も死んだのだ、当たり前のことだが自分が疑われてるんじゃないかと思ってしまう。


電話が終わったあとに思い出した。あの連絡先のことを。


もし、上からどんどん死んでいくのだとしたら。

竹達、田渕が順に死んだ。

それも、俺じゃない何かの手によって。


もしそうなると、次の標的は津田だろう。そしてその次は、俺。



水曜日

仕事の仲間と飲んで帰る。人が死んでも、自分の周りは相変わらずだった。ただ世間話をして上司の愚痴を言って、酔ってぎゃはぎゃは笑っている。


昨日あったことが忘れられない。もし、これまで通り津田が殺されるとしたら、一日起きに人が一人殺されるとしたら、津田は明日の深夜、つまり今から数時間後には殺されることになる。


目の前で飲んでいる津田が、数時間後には死んでいるのだ。

もしかしたら、津田についていけば、犯人が分かるのかもしれない。でも、仮に犯人が分かったとしてどうする?


どうもできないかもしれない。



木曜日

津田が、そろそろ帰るという。今は零時を回ったところだ。

どうする、どうする。

俺一人で捕まえられるわけがない。警察に連絡する?いや、だめだ。俺と犯人の顔も服装までもが一緒ということを知っているのは俺だけだ。そして知っていいのも俺だけだ。

俺が一人で決着つけなきゃいけない。早く、早くついていくんだ。早く…



遠くに消えていく背中を俺はずっと見ていた。

無理だった。怖くて動けなかった。


俺はそのあと一人で帰宅した。

仕事用のケータイをずっと持っていよう。ずっとこのケータイを持って眠らないでおこう。もしかしたらそれで助かるかもしれない。それしか、俺には出来なかった。



誰かに殴られ、気を失なった。



朝起きたら、ケータイは手にはなかった。それからすぐに、津田が死んだことを知らされた。全て分かっていたからだが、驚きはしなかった。

昨日俺を殴ったやつが、津田を殺したんだ。


その日は会社を休んだ。ケータイを探すことはなかった。


一日、天井とにらめっこしていた。津田が死んだのは今日だ。

明後日、俺は死ぬのだろうか。

だがこれで分かったことがある。俺とあいつは違うものだ。殴ったのはあいつ。殴られたのは俺。明後日、俺があいつから逃げ切ったら、もしかしたら助かるのかもしれない。



金曜日

仕事用のケータイを探すことはなかった。今日も休んだ。


なんでこんなことになったのか、ケータイを買ってからか。このケータイになにか憑いていたのだろうか?呪いのケータイ?幽霊なのかなんなのかも分からないが、もう知ろうとも思わない。あと数時間で俺は死ぬ。

夕飯のご飯と味噌汁を残さず食べて、服を着替えた。

時間は零時になる少し前だ。



土曜日

靴紐を結んで、家を出る。近くのコンビニまで歩いてみようと思った。そこで漫画を立ち読みしていたら、いつの間にか朝になればいいと思っていた。

時間は零時を回った。なんだか体が重くなった気もする。


早く行こうと思っていた。ここで死ぬなんて嫌だ。

あいつがなんなのか今でも分からないけど、そんなのは気にしてられない。ドッペルゲンガーでもいい。

ドッペルゲンガーと会ったら死ぬとか、そんな都市伝説は信じたことはないが、今日ばっかりは違った。あいつから逃げ切る。それだけしか考えていなかった。




足音が聞こえた。

後ろに人の気配を感じる。


自分のケータイがなった。

見ようとはしなかった。


だんだんと足音が強くなってくる。少しずつ怖くなってきて、自分も早足になっていた。どうにかなりそうだった。ケータイがなった。ブーブーブーと、なった。


無視する。今は逃げるのしか考えられない。捕まったら死ぬのは間違いない。


またケータイがなった。自分の体力もなくなってきた。

いつまで走っても、コンビニが見えてこない。

またケータイがなった。




怖くなって泣きながらひたすら逃げた。

ようやくコンビニが見えてきた。時間は三分くらいしかたってないはずなのにすごく長く感じた。

ここなら人がいるし、電気もついてるし、一番安心できる。

コンビニに入る前には、足音もケータイのメールもなくなっていた。


コンビニに入る。

よかった、助かった。

店員もしっかりいた。

客も数人いた。

助かった。


次の瞬間、コンビニの電気が突然切れた。店員さんも客もみんな見えないほど暗くなってしまった。でもどこからも声がしない。誰か一人はパニックになってもおかしくないのに、なんでだろうか。


早くコンビニから出ないといけない。しかし自動ドアは開かなかった。手じゃ開けられないのだ。怖くて頭がどうにかなりそうだった。


ケータイがなった。


見てみたら、27件入っていた。

全部自分のケータイからだ。

見てみると、ニタニタ笑う俺の顔があった。


またメールが入った。

コンビニの画像がおくられてきた。



いきなりたくさんのメールが入った。

ブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブー




新しく入ったメールを見ると、そこには怖がりながらケータイを見ている俺と、ニタニタ笑うあいつのツーショットの写真があった。


横を見ると、そこにあいつはいた。









ニタニタ笑う顔で、俺は家に帰った。犬がこっちを見て吠えている。買ってきた漫画を持って、俺はソファーに座った。プライベート用のケータイは壊してしまった。

ありがとうございました。


ニタニタ笑う自分は誰なのかは、まあ想像におまかせということで。


あまり細かな設定は決めていませんが、あのケータイは呪われていた、ということでいいかもしれません。


正直最後のがやりたかっただけだろと言われると否定出来ませんかね(笑)

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