出会い
時は中学時代
「昨日、彼の部屋に行ったらさー…」
「ねぇ、私、彼氏出来たよ!!」
「今日、俺あいつに告る。」
みんな恋してる。
今を満喫してる。
じゃあ、私は?
私の名前は「瀬野 燐 セノ リン」
初めてのニックネ-ム「地味子」
(現在)身長、164cm
体重、46kg
3サイz…は言わない。
ごく平凡的な女子高校生
今年は大学受験だっていうのに、みんなは職業の事でも大学の事でもなく恋愛の話をしている。
俗に言う「恋バナ」だ。
そんな話を聞いてふと思えば私の初恋っていつだっけ?
いや、ない。
まだだ。
もう大学生になると言うのに、初恋がまだとは…
自分でも驚きだ。
私はいつ恋するんだろう……
なんて不謹慎な事を考えていた時
「りーんっ」
「あ…莢花。」
話かけてきたのは「瀬戸 莢花 セト サヤカ」
私のたった1人の友だ…いや、親友…かな?
この子は実に良い子だ。
みんなに平等だし、自分より他人優先な子だし、礼儀正しくて美人で頭も良い。
更にスポ-ツ万能なんて完璧美少女なんだから、モテる以外、道はない。
私と正反対の性格…羨ましいなんてもんじゃない。
莢花には当然の如く、彼氏がいる。
しかも、その彼氏も成績優秀、スポーツ万能、性格◎、おまけに美男というやつだ。
とてもよくお似合いの美男美女のカップルだ。
「ねぇ、燐。」
「何?」
「燐はさ、彼氏とか作らないの?」
「いらない。面倒だし」
「えー…Wデート。楽しみにしてたのに…」
唇を尖らせて小声で呟く莢花
その仕草がいちいち可愛い。
それはともかく…
「面倒だなんて言ってないで…ほら、あの人は?」
「無理無理。学校一のモテ男じゃん。無理だって…」
だけど、あいつの行動は驚きのものだった。