第陸.伍話 『後書バッドエンド』
やあやあ、これはまだ不死烏の言葉だ。
恐らくこれを書いている時はもう私はこの世界には居ないだろう。
さあどうだっただろうか。この気狂わされプログレッシブ。
私の二作目になるわけだが、随分と路線がそれたり言い回しが悪いような箇所があったかもしれないな。
この物語は単純に魔王を倒すとか学園に転校生が来たとか言う部類の話ではないのさ。
一つの話の中に物書きが次に人物にバトンを渡すと言うかなり奇妙で狂った話なのさ。
……まあ私はこういう結果になるとは全く予想していなかったんだがな。
別にデレスィオンが生きていたらまだこの小説も更新出来たんだ。
まあいい、後は奴に任せて私はこれにてサヨウナラだ。
最後になぜ私がヤお前を跡継ぎにしたのか教えてやろう。
お前は他の誰よりも狂っていた。
壊れて壊れてどうしようもないくらい歪んでいた。
それいいのさ。それで無くては不死鳥の小説は完結することは出来ない。
まあいくら狂ってるとはいえ、ラリってしまっていた時には流石にやり過ぎだとは思ったがな。
さあ次のページは『ヤマアラシ』が作者だ。
最後にこの物語を終わらせてくれ。頼んだ。
えー、こんにちは不死烏改め『ヤマアラシ』です。
驚いた。あの時僕は単なる登場人物であって主人公ではないと思っていた。
でもこの小説はどう見ても僕が主人公じゃないか……。
別にこれを書く必要は無いんだけどデレスィオンって奴は未来を見ることが出来るなら自分が殺される事も解っていたはずだ。
じゃあ何で回避しなかったんだと言うと多分不死烏と同じ事を言うんだろうけど、それでもおかしい。
何がおかしいかって不死鳥が死んで『ヤマアラシ』が作者になる事を予め知っていたんではないだろうか???
――ああなるほどな……だから僕が主人公なのか。
自分が死んだ後に僕が書きやすいように不死鳥がそうしたのか。
何だかそれは凄く腹が立つな。
まあいいや、今日からは不死鳥に変わってヤマアラシがこの小説を更新します。
小説は書いた事無いから初心者ですが宜しくお願いします。
……と言ってももう終わるんだけどね。
僕は何も無かったかのように自分の家に着いた。
これで気狂プログレッシ部で残ったのはもう僕一人だ。何だか僕が死神みたいだな。
結局のところそうなのかも知れない。
自分のことが一番難しい。自分というのを完全に理解するのは不可能なのだ。
その為、結局のところ僕は“本当は異常体質者ではないのだろうか”と言う問いには答える事は出来ない。
「まあいいさ」
半分諦めにも似たため息をついて僕は寝る事にした。
寝たら全部忘れてて何も無かったかのように人生が始まる……なんて考えている僕は随分と病的だろう。
病的と言うか気狂か。
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眼が覚めると時計の針は6時40分を指していた。
二度寝しようとしたのだが、寝たら遅刻するに決まっているから辞めることにした。
食欲は無い。
しかし朝ごはんを食べないと頭が回らないという事を思い出したのだが結局食べる事をしなかった。
「今食べたら本当に吐きそうだな」
誰も居ない部屋に僕の声がぽつりと響く……独り言より寂しい物はない。
僕は歯を磨き終えると顔を洗って学生服に着替える。
「行ってきます」
今日は月曜日だから気が重いとか普通の学生は思うかもしれないが僕はそういうのは余り思わない。
本当にどうでもいいと思っている。別に学校に行くのも行かないのもやる事は一緒だ。
それが教室でやるのか自室でやるのかそれだけの違い。
「 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」
僕は誰も居なくなった部屋の扉を閉めた。