第零話 『プロローグ。』
こんにちは――ああこんにちは。
僕は喋る。そこには何の意味も存在しない。皆無、絶無。
今度は彼から喋りかけてきた。
どうしたんだ??? 随分と辛気臭い顔をしているじゃないか???
――ああ、まさか君が喋るとは思わなかっt……
言い終わる前に突然の頭痛。痛い、頭が割れそうになる。
その場にうずくまる。こんなに痛いのは初めてだ。
だんだんと痛みが治まる。
大丈夫か??? ――うん……もう慣れてる
慣れてる。全く持ってその通り、“この”シュチュレーションも。
人間は初めてのことには戸惑うと聞いたことがある。確かにその通りだ。
僕だって始めは怖かった。
しかし人間は慣れることが出来る。“それ”を習慣にすることが出来るのだ。
だから僕は“これ”を経験していく内に日常にすることが出来たのだ。
他人には決して非日常の日常を――
きひひひひ、慣れているか。
そりゃ良かったナ、実は結構気にイッテいるとか??? ―― ・ ・ ・
僕は答えない。彼は続ける。
ソレどころか、もう“その体質”ナシじゃイキテ行けないんジャナイか???
―― そんな……
それ以上の言葉は――出てこない。彼は話す。
勿論、コレハお前のツクリ出したセカイさ。
ダケドお前にトッタラこれは紛れもナイ現実サ―― 現実……
現実。本当にそうだろうか??? 彼は続ける。
現実サ。
お前のゲンジツだ、ソレニ間違えはナイ。チガウか??? ―― ……違
違わない。と言おうとする、彼はそれを遮る。
ソウサ、チガワナイ。
もしお前がチガウというならソレを否定スルコトはお前の現実ヲ否定スルコトになる ……~~
口を開いた。声が出ない、彼は言う。
キヒヒヒヒヒ、怖いンダロウ。
自分ヲ認めラレナイのが???
自分ヲ否定サレルのが、ダカラ自分ダケでも自分ヲ肯定しなケレバナラナイ――
そんな事は……
そんなことはない。本当にそうだろうか??? 彼は答える。
イイサ。お前はイズレ気ガツク、その時マデだ――その時……???
彼は“その時”と表現した。彼は最後に言う。
キヒヒヒヒヒヒ。ジャアナ“俺”――サヨウナラ“僕”
――僕は目の前の鏡を叩き割った。