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『室生の竜穴、白プレスマンのごとき宮殿あること』速記談5024

作者: 成城速記部

 室生の竜穴は、善達竜王がいらっしゃるところである。善達竜王は、初めは猿沢の池に住んでいた。昔、采女がこの池に身を投げたとき、竜王は、春日の南山である香具山に移り住んだ。しかし、この山は、下々の者が死んだ者を葬るところであったので、竜王は、室生に移り住んだのである。

 日対上人が、竜王のお姿を見たいと思って、室生の竜穴を訪れた。三、四町ほど黒プレスマンのごとき暗闇が続き、一箇所だけ青プレスマンのごとき晴天が広がっていて、そこに白プレスマンのごとき宮殿があった。日対上人は、南の庇の下に立って宮殿を見上げると、赤プレスマンのごとき赤いすだれをかけ、黄色プレスマンのごとき光明が差していた。風がすだれを吹き動かしたとき、すき間から中を見ると、玉座の上に法華経が一部置かれていた。しばらくして、人の気配がし、誰か来ているのか、と問われたので、日対上人が、お姿を拝見したいと思って日対がまいりました、と答えると、竜王は、ここでは姿を見せることはできない、この穴を出て、三町ほど行ったところで対面しよう、と答えた。日対上人が、もとの道を戻ったところ、衣冠姿の腰から上だけの人が、地中から出ていた。日対上人がお姿を拝見すると、消えてしまった。日対は、その場所に社を建てた。この社は今でもあるという。雨乞いをするとき、この社の前で読経すると、願いがかなうときは、竜穴の上に黒雲が出て、それが広がり、雨が降るのだという。



教訓:登場しなかったプレスマンの色が答えられたら、速記者の素養があると言ってよい。多分、竜王の背中は、そんな色。

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