負け知らずの竜
「あなたのことが好きです。」
俺、神崎竜也は人生で1度も言われたことがない。そりゃそうだ、こんな見た目じゃな…俺は、ハーフだ。髪の毛は金髪で見た目は、ほぼ元ヤンの日本人の父に似た為か、普通にヤンキーに見えてしまう。また、そんな父親の教育であらゆる全ての武道と格闘技を習わされたため、喧嘩はした事ないが周りからは(負け知らずの竜)と呼ばれていた。俺は、そんなあだ名をつけられたせいで俺を知らない奴らは俺から離れていった。
そんな俺にある日突然、転機がきたのだ。
〜入学式〜
春の風に桜の独特の甘い匂いが俺の横にいるやつのテンションを上げていく。
「よっしゃ!!春だ!入学式だ!青春ラブコメ主人公だ!」
と横で喋っているのは、白山海斗こいつとは言わば幼なじみだ。
「えらくテンションたけーな、お前」
「そりゃそうだろ?お前、俺らはやっとあの青春ラブコメのド定番の門の前に立っているんだぞ?」
と海斗は両手を上げながら、竜也の前で振り返った。
「いや、その青春ラブコメってなんだ?」
「ふっふっ…青春ラブコメとはよく言わば、ラブコメの王道…言わば、スクールラブだ!!!」
海斗は竜也にドヤ顔で説明する。
「まぁ〜いいや。お前早く行かねーとクラス分けの表とか見れねーし、入学式にも遅刻だぞ。」
竜也は冷静に海斗に話しかける。
その瞬間、海斗が何かとぶつかった。
「…痛、すいません、大丈夫ですか?」
「あん?てめぇ痛いじゃねーか」
ぶつかった相手は、まさかの他校の不良生徒3人のうちの1人だった。
「すいません、よそ見してました。」
海斗は目をおろおろさせながら謝っている。
「お前?なめてんのか?ぶつかってきてすいませんだけで終わると思うなよ。ちと、後でツラ貸せや。」
海斗がひぃーとビビっている間、竜也は3人の影から1人の少女と目が合う。
「遊びに行かない?」
と残りの不良生徒2人が話しかけたり、手を引っ張っていた。かなり強引だ。
「やめなさい!」
だが、そんな言葉不良生徒が聞くわけがない。その時、竜也が間に入り少女を庇う。
「お前ら、この子嫌がってるじゃないか。やめてあげなよ。」
「あんやんのか?」
不良生徒2人が、竜也を囲む。その時
「竜也〜俺も助けて〜」
その名前を聞いた瞬間、竜也を囲んでいた不良生徒1人がぴくりと止まった。
「金髪の髪の毛。その目つき。お前…まさか…あの…。もういい、行くぞ。」
1人の不良生徒が立ち去る。それに残りの2人も着いてく。
「真島さん。なんでほっとくんすか?あんなやつボコボコにしましょうよ?」
1人の不良生徒がいった。
「相手が相手だ。分が悪すぎる。お前な…聞いたことねぇのか?あの負け知らずの竜を。」
真島という不良生徒はかなり深刻そうな顔して返答した。
「本当ですか。あいつが負け知らずの竜。ここら辺では名前だけは売れているやつじゃないですか。初めて見ました。」
「あいつの親父はな、昔、伝説の不良、神崎桜夜さんの息子で武道と格闘技でも相当の実力者とか、まぁ〜ここら辺では喧嘩を売ってはならない人物の1人だ。」
竜也は話しかける。
「大丈夫?君?」
「はい…助けてくれてありがとう。」
少女は、お礼を言うなり先を急いだ。
「やっぱ、お前といてよかったわー」
海斗がほっとした顔で竜也に近づく。
「あれって、俺らと同じ高校の子だよな?」
「そうだな。てか、早くしねーと本当に遅刻じゃねーか!」
そう言うと竜也達も先を急いだ。竜也は、この時想像できなかっただろう。これから起きることに…