急な展開
「賢太君、生徒会に入らない?」
「あの、随分唐突ですね」
「そうね、でも賢太君って部活動とか入ってないでしょ?」
「まぁそうですけど」
「学力も申し分ないし、性格的にも問題なさそうに思えるのだけど、どうかしら」
「う~ん、考えさせてもらっていいですか?」
流石に即答ってのもなぁ…………、と俺が悩んでいると、
「もしかしたらラブレターの差出人も分かるかもしれないわよ?」
「…………は?」
「何かしら?私が知らないとでも思ったのかしら」
「ちょ、ちょっと待ってください!!一体どんな経緯で!?」
「まぁ細かいことは良いじゃない」
「いや、その細かいことは俺にとって相当重要なんですよ!?」
それからほんの数時間後、俺は生徒会に入っていた。
そりゃあんなあからさまに餌をつるされたら食いつくしか無いわけで…………
ーーーー
放課後、早速生徒会の仕事があると明来先輩に呼び出された俺は生徒会室に来ていた。
「失礼しま~す」
「いらっしゃい、賢太君」
出迎えてくれた明来先輩、それに対して何故か生徒会室には冷たい空気が流れていた。
「え?何で賢太が生徒会室に?」
そこには璃々もいた。何が何だか分からないといった表情で俺を出迎える。
「私が賢太君を勧誘したのよ」
「は!?何やってるのよ!」
「別にいいじゃない。生徒会に入ったのは賢太君の意志なのだし」
いや、まぁ俺の意志ですけど…………完璧釣られただけだからね?
「ま、まぁそれならいいんだけど…………」
何とか納得?した璃々をよそに明来先輩は生徒会の説明を始めた。
「見ての通りここが生徒会の仕事を行う生徒会室ね。メンバーは私とそこにいる宮本さん、それにもう一人二年生が一人と一年生が一人の4人よ」
そして明来先輩はそっと俺の耳元で、
「そしてこの四人の中にラブレターの差出人はいるわ」
「え?」
この四人のなか…………つまり璃々である可能性も、そして明来先輩自身であるということも…………
何故か俺は、唾を飲みこんだ。
「さっきからなに話してるのよ!作業しななさいよ!」
「お、おう…………」
何だよそれ…………明来先輩の話してることがホントだとすれば…………やば、急に意識し始めたかも。