表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/17

変わった環境

 翌日、俺は学校で少し違う生活を送っていた。


「富田、ちょっと勉強教えてくれね?」


 なんとクラスの男子に話しかけられたのだ。

 いや、今までは大抵ボッチか生徒会だからクラスの奴、ましてや男子と話すなんて…………

 まぁ、一週間後は期末テストだから気持ちは分かるけど。


 そんなことを考えていると名前もまだ覚えていない男子はノートを開き問題を指差した。


「この問題なんだけど…………」

「あ~これな」


 内容は数学、基本的な問題の中に少し応用が含まれた厄介な問題。


「ここは普通に展開してだな、あとは教科書に書かれてるもう一つの公式を使えば…………」

「なるほどな!!ありがと富田」

「お、おう…………」


 しかし今日は特別な日だったのだろうか、勉強の相談はそれだけじゃ収まらなかった。


「私も教えてほしいんだけど」

「俺も!」


 etc…………




 ーーーーー




「ありがとう富田くん!」

「あ~どういたしまして~」


 もはや体力の限界だ…………らしくないことはするもんじゃない。


「それよりも富田君って変わったよね~」

「え?」

「ああ、変わったよな。前よりも、なんていうか…………接しやすくなった。それに冗談もいって意外に面白い奴なんだな!」

「そうそう!!生徒会に入ったのも良かったのかも」

「良かった?」

「うん、だって生徒会ってつい最近まで少しピリピリしてたから。でも最近はそんなことなくなったていうか」


 そうなのか?あの生徒会がピリピリ?まぁ璃々と先輩はぶつけたらちょっとヤバそうだけど。


「あのさ…………生徒会もだけど、俺ってどんな奴だった?」


 するとまだ名前も知らない、というか覚えてない男子と女子は顔を見合わせ、


「接しにくかった」

「うん。勉強一筋って感じ」


 あ、そう。やっぱり俺って孤高の存在だったわけね…………


「それじゃあ私行くね」

「じゃあ俺も!また教えてくれよな!!」

「お、おう…………ほどほどに頼む」


 こうして俺はクラスの面々から解放された。

 でもまぁ少し気分は良かったな…………


「あんたってそんなにクラスで馴染めてたっけ?」


 背後から掛けられた声。もう何度も聞いたせいかその声の主はすんなりと分かった。


「璃々か…………まぁ正直なこと言うと俺もビビッてる」

「どうせテスト期間中だけいいように使われてるんじゃないの?」

「ちょっとその言い方ひどくない?俺ってそんなに孤高の存在!?」


 突如現れては盛大に俺の心に大きな刃物を突き立ててくる璃々はどこかすがすがしい表情をしていた。もしやコイツってドS?


「ところで璃々。生徒会もテスト期間中は休みなのに何か用か?」

「へ?あ、その…………勉強を…………」

「いや、お前もかい!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ