1話 ようこそなんでも部へ
教室に終わりのチャイムが鳴り響いた。
ようやく長い、だるい、つまらないの三拍子の揃った授業が終わり、放課後になった。
朝からの疑問を相談しようと鈴谷に話しかける。
「おい鈴谷。なんでも部に入ろうと思うんだけどどう思う?」
「お前まじで言ってたの?やめとけってそんな変な名前の部活。そんなものよりサッカーしようぜ。お前運動神経だけは良いから」
だけってなんだよだっけって
「サッカーとか運動系だるいじゃん。だらけれる方がいい」
「まったく。そういう考えを持つから、友達が少ないんだよ」
鈴谷は呆れたような顔で言った。
「うっ」
「そんなダラダラしてる奴には彼女もできないからな〜」
「もうやめろ、俺のメンタルは1しか残っていないl
「青春がつマンないでしょ」
効果抜群で、俺にはオーバーキルでメンタルが砕けた。
「ってどうしたの?これはひどいな。誰のせいだ」
お前だよ。心の中で俺は叫ぶ。
「まあ。いいや後でどんな部活だったか聞かせてね!」
・・・俺は返事もできずにユニフォーム姿の鈴谷を見送った。
なんでも部の部室に行くことにした。扉にはなんでも部と書かれている画用紙があった。俺は緊張して扉を開けた。中学の時部活になんて行かなかったからな。
「失礼します!入部希望の清水涼介です。」
「うん?だーーーー。入ってきたじゃないか」
「ふふんこのかけ私の勝ちだね。約束の1000円は?」
「く、無念」
中には三人の人がいた。1人は端っこで本を読んでいて他の2人は椅子に座って騒いでいた。なんで騒いでいるのかはワケワカメだが。
「えっと、あのー」
「そうだ新人君かな?ようこそ我がなんでも部へ!副部長の難瀬だよ!」
「おい、我がってなんだよ。部長の荒木だ」
「あっちにいるのが広瀬ちゃんだよ、きみは?」
さっき行ったと思うのだが…
「清水涼介ですよろしくお願いします!」
「よろしくって言いたいところなんだけどこの部活もうすぐ終わるかもしれないの。」
はあ?何かの冗談だよね先輩
「人数が1人足りなくてね。誰か来ないかなー」
「もう来ないよアホ。来ないに1000円かける」
「そう、じゃあ私はくるに1っ票!」
そんなことを先輩たちがしているのを眺めながら次の指示を待っていると、ガラガラと扉が開いて、1年星と重われる女性が入ってきた。
「失礼します。1年c組の足立です。ここに勉強をしにきました」
この人さらっとこの部活ディスったよね!ああ怖い
「うん?くそー去年は1人しかはいらなかったのになんで今年は多いんだよ」
「約束の千円は?」
難瀬先輩がドヤ顔でお金を請求する。
「もう500円しか残ってねいや。金欠が」
荒木先輩は潰れている。
「あの私このいない方が良かったですか?帰りますけど…」
「待って待って、足立さんと清水くんかな?よろしく!まあうちの部活は基本的に暇だから何しててもいいよ。もう帰っててもいいよ」
それを聞いて安心した俺が帰ろうとするとまたガラガラと扉を開けた音がしてうちのクラスの女子の笹原が入ってきて依頼がありますと言った。その内容は何かと思うと
「私鈴谷くんが好きなので告白するのを手伝ってください」
俺は飲もうとして口に含んでいたお茶を吹き出した。
あの鈴谷が持てるだなんて知らなかった。めちゃくちゃうらやましいんですけど。まあいいや。
「せっかくなんだし1年星の子がやれば楽しいよ」
「おい、いいのか?3ヶ月ぶりの依頼だぞ」
「いいじゃん。お手並み拝見ってことでさ、広瀬さんもそう思うよね」
「・・・べつにいいけど」
「ということで1年星の諸君頑張ってくださいね」
どういうことでだよ。俺はダラダラしたいのに。まあいいか。