閑話 異国人を初めてみたぞ!? 石塚屋からの視点
商いの最中に お城の勘定方 岡部様より急な呼びたしがあった。
何でも異国船が付き、異国人が日本語を話している。
しかもこの町で商いをしたいと申していると。
「はい、すぐに身支度を整えてお伺いします。しばらく失礼します。甚八さん」
「相分かった。ここで待つぞ。」甚八は商家の入口の端に向かいたたずむ。
店の裏手に回ると 番頭に店を任せ、小者に船を確認するよう船着き場に行かせた、報告は警備小屋に向かう道中で受けることを伝えて。
身支度を整え警備小屋に向かう。
「甚八さん、お待たせしました。では先導をお願いします。」
「では いきましょう。」甚八は返す。
「ところで 甚八さん。その異国人はほかにもなにか?」
「うむ。塩を扱うとか 塩を作るとか申しての~」甚八は返す。
「それは座に反しますな。塩の密造は行ったのでしょうか?」
「いや、岡部様とのやり取りで密造まではしてないようだった。しかし不可思議な方法で塩を作ると言っておって 面妖であるのだ。製塩と言えば藻塩、塩と作ると思うのだがそれ以外の方法はあるものなのか? 石塚屋さん。」
「それは・・・ (岡部様はお確かめになりたいようだ)。詳しいことは岡部様にお聞き致すことにしましょう。異国人とは珍しいことを考えますな、甚八さん。」
「全くだ」
警備小屋に顔を出すと、岡部様より書状を頂き、口頭にて説明があった。
「石塚屋、ご足労かけた。ちと困っての暫く 異国人をお預かり頂き 見極めて頂きたい。武士の道ならば見極められるが商いの道ではそうもいかぬでの。この町に役に立つのか否か?教えてほしい。 面妖な船の件も知りたい。頼んだぞ。」と扇越し囁く岡部。
「承りました」と頭を下げる石塚屋。
「これが今回の依頼状だ。内容を確認せよ。」と岡部が差し出す。
「は、畏まりました。で、このことは本城の殿には?」手元の書状には大掾の御殿様の花押を見受けた。
「いやいや、話は見極めてからとなろう。あるいはもあろうし、のう石塚屋。」
「ハハハ。そうならないことを願ってます。では 本件、確かに。」と礼をする。
岡部は去り小瀬は送りに行ったのであった。
うむ、新しい製塩方法か。これは興味がでてきたの。