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異世界で大航海!?  作者: フェル
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あ、やっぱり不信者スタートですよね!? でも怪しくナイでしょ

 航海図から日本と分かれば言語スキルに問題はないはず。欧州各国の言語とラテン語、ギリシャ語それに日本語と中国語もっているし、いざとなればボディーランゲージを使えば生活できるかな・・・


「ここは何ていう町かな。漂流して流れ着いたんだよね。」と渡し場の船頭に声をかけてみた。


「ヒタチのクニだ。石塚の城下町だよ。」気さくに船頭さんは答えて下さいました。


「あ、言い忘れていた。自分はフェルといいます。あなたは?」


「船頭の五助だ」


「石塚の隣街ってどこになるのかな。街道や川筋を教えてください。五助さん」と聞いてみた。


「ええよ。東にはお殿様のお城があり、この街道は石塚の街にとって重要なんだよ。ここの川は夏に増水し橋はかけても流される、こうして渡し場があり往来に対応しているんだ。ここから北に向かうと遠国おんごくに通じる街道につながっている。この町、石塚から川沿いにのぼって長倉の街、更に上って茂木の街がつづく。まあ土地の者は茂木への街道と呼んでいるんだ。茂木は隣国シモツケのクニの南側にあり茂木からは南にいけばシモフサのクニ、ムサシのクニと街道は続いていく。ここから北に行けば茂木街道と川が沿うように続く、やがては隣国シモツケのクニの烏山の街に至るよ、烏山から更に街道を進むとウシュウ、オウシュウへと続いていく。」


「河沿いに。長倉、茂木、烏山の街があると ありがとう、五助さん。是非、行ってみたいね。」


 と話している間に5人の兵士に取り囲まれてしまった。

「怪しい奴、何者だ。」と兵隊さんに促された。


「え?わたしですか? 私は航海者のフェルと言います。漂流して、やっとここにたどり着きました。」


 話をしていた五助さんは渡し舟に戻っていた。

 戦うのも一興、逃げるのも一興だがまずは拠点の確保を考慮し様子を見る方向でいこうか。ちょっと計算してみた。


「事情を聴くのでついて来い。あと腰の刀は預かっておく。」


「は、はい。」腰ひもから下げているショートサーベルを鞘ごと外し兵隊さんに渡した。まあ船内倉庫からいつでも別の装備取り出せるし 最終的なピンチでもないかと この時点では余裕がありました。神様、ありがとう。


 継続して測量スキルを使い街道と城下町をマッピングしつつ。

 囲んでいる兵隊さんたちの様子を見た。

 先頭に立つ隊長さんも 他の4人の兵隊さんも 中世や近代の武士というより農民兵とか足軽という感じがする。武器も槍や刀ではあるものの 優れた武器というわけでもなさそうだ。

 槍の長さは2m強。んー 信長が導入した三間槍(1.8mの3倍)よりかは短い。


 街を見ると街道筋に市が少しだけ並んでいる。にぎやかであるが扱っている品物は、穀物や野菜、魚などが多いようだ。肉系はないのですね・・・ニワトリ、アヒル、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジに期待してたけど  もちろん港町にある造船所もないな、こりゃ。街マップを見ると 交易所関連はあるが造船所もありませんでした。


 街道を進んでいくと 道が折り返しとなり上り坂になる場所に差し掛かった。

 塀に囲まれた武家屋敷らしき家屋に連行され、うす暗い部屋に通された。

 あ、フェルは銀髪、青い目で怪しく 武士ではないから扱い低いのですね。いちおう社交スキルは優遇でMAXまであるのに・・・無駄にね。


 兵隊さんから「そこに座れ。」と部屋の入口右手を指され 言うとおりに座った。


 入口に2名の兵隊、正面に隊長さんという形で事情聴取がはじまった。


「何故。この町に来たんだ。どこの回し者か?」


「町に来たのは漂流してはじめて上陸したのです。今後のことも考え交易も可能な街を探していました。私が回し者かについて違います。海に携わる者は不運にも難破や漂流に直面するものです。」


「ふむ。 なぜ言葉が話せるか?」


「この国の南方にある島で日本語を学ぶ機会がありました。」


「船には 他に仲間はおらんのか? なぜだ?」


「以前はいました。 漂流時に行方不明となりました。」


「交易とは何をしたいのか?」


「扱える品次第です、今は交易品は調査中です。この町で仕入れた品を他の町で売り、差益で利益を生み出します。海運、河岸として船で運搬するので十分な利益が確保できるのです。場合によっては加工交易も致します。素材を現地調達した交易品をその場で加工&販売するのです。まぁ職人でもあるのです。例えば こちらの町で扱われている穀物から麺類に加工とか、採集した海水を製塩、釣った魚を魚肉に加工とかです。」


「さて主にどう伝えたものか?」兵隊の隊長さんこと「甚八」は一人呟くのであった。製塩技術は戦略物資・塩を生み出し座で管理され大っぴらにされてはいないのだから・・・


「話は分かった。しばらく待て。あるじに話を通してくる。」見張りを残し立ち去る隊長さん。


「すみません、漂流にて疲れたので簡易の食事と休みを取ります。」と断って部屋の片隅の壁にもたれ寝入ってしまう「フェル」。これには見張りも気が抜けるのであった。こんな隙だらけの間者はいねーだろ。


 遠野の記憶として 大航海時代に広まっていく「銃」や「大砲」は危うい。交易として貿易や加工交易による儲け方、とくにポピュラーな調理・工芸系スキルなら問題も少なかろう、と判断していたのだった。


 そして一刻の時間が過ぎ、「甚八」が上役の2名をつれ「フェル」の元に訪れた。


「おい、起きろ。」と甚八が声をかける。


 眠そうに眼をこすり起きる「フェル」。

 部屋を見渡すと甚八の横に 身なりの良い武士が二人いた。


「あ、これは寝入ってしまい申し訳ございません。航海者のフェルと申します。」と様子をうかがう。


「わしは町の警護衆を束ねる小瀬という。こちらはお城の勘定方の岡部様だ。」


「お初にお目にかかります。」


「フェルよ。そなたはこの石塚の町で交易をしたいと申したか? また船着き場の船はお前ので間違いないか?」


「はい。」


「船を確認させて貰った。見たことがない作りであったが 検分した上で特に問題がないことが確認できた。また漂流した形跡らしき物も確認できた。」と小瀬が言う。「岡部様、いかがとりはからいましょうか?」


「ちと 確認したいことがある。塩をどのように作るのだ?」と ぽつりと岡部が問う。


「海水を集めて水気を飛ばし塩だけ取り出します。」と当たり障りなく答えてみた。


「具体的には?」岡部が方法を聞いてくる。


「さて 初めての地にてまだ方法は確立していませんが 海水を煮詰め続け塩を取り出す方法、海水に風をあてると水気が飛びやすくなり効率的に塩を取り出す方法、海藻に海水を含ませ天日に晒すことで藻塩を作る などでいかがでございましょう、岡部様。」


「どの方法も実践したことはあるのか?」当家での製塩方法の他、未知の方法まであるようだ。


 交易系職業が宝石商であるため工芸スキルは優遇状態、しかもスキルはカンスト中とくれば、「はい、実践できます。」


「あと 珍しい船の形だが当家の船と具体的にどのように違うのか、申してみるがいい。」と岡部様が問うてきた。


 あ、これは売り込みのチャンスってことかな。吹っ掛けましょう。

「岡部様、お答え申し上げます。世界には7つの海と言われる南太平洋、北太平洋、南大西洋、北大西洋、インド洋、南氷洋、北氷洋とあります。広大な海を渡り荒波を耐えるためには、まず船の背骨が肝要かと思いまする。竜骨といいます。私の船底の中央に大きな柱がありますのがそれ。こちらの渡し舟にはそれがありません。また帆がちがいます。マストと呼ばれる船の柱に帆を受け走ります。櫓で漕ぐものではございません。高波に対しては対波処理がされており難破を避けるように工夫があります。四角を中心とした箱舟型の船はその限りではなく、恐らくは悪天候の中では不安定になりましょう。で、いかがでしょうか?」


「7つの海とな。竜骨。帆。ふむ。話としては分かった。ただし当家のために商いをするということならば当家の御用商人の預かりとするのが良かろう。甚八、石塚屋を呼んでくれ。フェルよ、まずはこの町での商習慣を学んでほしい。」


「はい。岡部様、よろしくお願いします。」と即答した。


「では 小瀬、他になにかあるか? なければ我らは戻るとしよう。」と岡部が促すと。


「ありません。」と小瀬が返し、二人とも退出していった。


 ・・・そして 石塚屋さん? が来るまで留め置かれます・・・

 いまのうちに荷物整理をしておきます。

こんばんは

常陸国 特に御用商人の名前が浮かばず 安直に石塚屋にしました。

お殿様の名前が出せてないです、佐竹氏(常陸国源氏)と大掾氏(常陸国平氏)からお名前をお借りしていく方針です。

常陸国府中ならば石井氏、小沢氏とか、常陸国保内ならば深谷氏とか調べますけど 500年前の情報だと石塚はねぇー 不明でした。

数話で航海者・フェル君も出航し交易の旅にでます。話が順風でありますように By(作者)フェル

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