月下の猫うどん1部
「猫ちゃーん」
「猫ちゃーん」
「な、なにかな」
「あなたまだゲームしてるの?」
「もう夜中の2時よ」
「猫は夜行性なのにゃ」
「昼間寝て夜活動するのにゃ」
「またそんな当たり前そうな嘘言っておねーさんをたぶらかそうとしたって無駄よ」
「ゲームの電源とテレビの電源を切って早くお眠り」
「それとあなた」
「おかしのバリバリ殿を食べながらプレイしてるから」
「食べかすがあちこちに散乱してるわよ」
「罰が必要なようね」
「ちょっと待ってにゃ」
「いまセーブするのにゃ」
「なんだまたヘイロー5やってるの?」
「おねいさんがプレステ4買ってくれないから」
「ゲームショップでゲームソフト売ってなくて困るのにゃ」
「XBOXワン間違えて買ってくるとは」
「マニアもいいとこにゃ」
「うるさいわね」
「安かったのよ」
「中古で1万5千円」
「PS4は高いのよ」
「ちょっとA子ちゃんに貸しなさい」
「だめにゃ」
「おねいさんはすぐにクリアしちゃうから」
「ほいっほい」
ズドーン!!バリバリバリ!
「この十字キーの下を押すと、戦術目標がわかるの」
「ガーン!!」
「僕の今までの苦労があ・・・」
「このコントローラの十字キーは、任天堂に使用料を払ってるわね」
「なにゃ?」
「本物の十字キーは任天堂の著作権なのよ」
「だから他のメーカーが十字キーを使いたい時は、任天堂に著作権料を払ってるの」
「かつてのセガのドリームキャストがそうだったわね」
「何を言ってるかよくわからないにゃ」
「猫ちゃんには1千万年早かったわね」
「おねーさんの独り言よ」
「それより猫ちゃん」
「あなた漫画をいつの間に集めてきたの」
「もう本を置くとこないわよ」
「漫画は猫の生きがいにゃ」
「電子書籍にしなさい」
「僕は何の端末も持ってにゃいのにゃ」
「アナログ猫なのにゃ」
「A子ちゃんのアイフォン8貸してやるから」
「それで漫画読みなさい」
「大丈夫、誰からもかかってこないから」
「A子ちゃん友達いないんだ」
「それはそれで問題なのにゃ」
「いいのよ」
「A子の友達はいない、それが答え」
「にゃんだこのスマホ」
「占いアプリだらけなのにゃ」
「猫のだんな」
「びっくりしたのにゃ」
「タルタルソースくん、起きたのかな」
「真夜中に大声で喋ってりゃあトドでも起きますぜダンナ」
「にゃ~」
「目がショボショボするのにゃあ」
「あらそう」
「ならA子ちゃんのアイパッド貸してあげるから」
「これなら画面が大きいからだいじょびよ」
「おねいさん」
「PS4ケチるくせにスマホとタブレット持ってるにゃん」
「うるさいわね」
「自分には甘いのよ、おねーさんは」
「居候の猫ちゃんに費やすお金は持ち合わせがないのよ」
「猫は居候にゃんだにゃ」
「あらごめんなさい」
「傷ついたの?猫ちゃん」
ぐりぐり
「足蹴にするのはやめてほしいのにゃ」
「おねいさん、おひらきにゃ」
「あらもう?」
「ごめんなさいね」
「また近いうちにお会いしましょうね」
「それじゃあ」
「ばいばい!」
「A子でしたあ」
「猫なのにゃ」
「おう!亀だぜ」




