妖精保護区域・第六区画
「・・・・・・・」
ズルズルッズズズズ・ズル
「・・・・・・・」
「うーん。もう食べられないのニャ。冷蔵庫に入れておいてにゃ」
「?」
ガバッ・バサ
「にゃー夢だったのにゃ」
「義理チョコに愛を込めないでを360本食べた夢を見たのにゃ」
ズルズルズル・・・
「ニャ?おねいさん。仕事も行かないで何を食べてるのにゃ?」
「ラーメン大魔王よ。それと今日は日曜日だからね、猫ちゃん」
「猫のダンナ、ヨダレをふいたほうが良いですぜ」
「タル君も何無言で食べてるのにゃ?」
「アネゴに買ってきてもらった、ウグイスあん・タイ焼ですぜ」
「ニャー、猫も何か食べたいのニャー」
「猫ちゃんは最近食べ過ぎだから、ダイエット・ゴーゴーよ」
「ニャハハハ!面白い冗談なのにゃ」
「は、腹が減ったのニャ・・・」
「ズズズズ・ゴクゴクゴク・・・あー美味しかったわ」
「ラーメン大魔王は飽きない味よね!」
ピンポーン・・・
「あ、ハーイ」
ガチャン。キィィ・・・
「伊藤さんの奥さん、お早うございます。お待ちしてました!」
「お早うございます、A子さん。うちの子をお願いします」
「ほら、ちなみ。隠れてないで、お姉さんに挨拶しなさい!」
「・・・・おねーちゃん、お早うございます・・・」
「おはよう!ちなみちゃん!」
「それでは、あとで迎えに来ますから」
「失礼なことを言うんじゃありませんよ?ちなみ」
「うん」
キィィ・バタン
「・・・・・・」
「さあ・ちなみちゃん。猫ちゃんと亀ちゃんと遊んでね?」
「わーい!」
バタバタバタッ
「ニャに?A子ちゃんが遊ぶのじゃにゃいのかにゃ」
「ねこちゃんネコちゃん!キャッキャッ!」
「ちなみちゃん、お父さんの怪我はどうなの?」
「・・・うん。むちうちだって」
「なんだ、良かったわね。安心したわ」
「おねーちゃん、ムチウチってなに?えすえむのじょおうさま?」
「プッ!ち、違うのよちなみちゃん。ムチで叩くんじゃなくて」
「車がぶつかったショックで、首が痛くなることなの」
「お姉さんも良く知らないけど・・・」
「キャッキャッキャッ」
「むちうち・むちうちッ!」
バシッバシッバシッ!
「痛いのニャー、動物虐待なのニャー!」
「ああああ」「孫の手で猫を叩いちゃダメよちなみちゃん!」
「ん?」「なんでウチに孫の手があるの?」
「僕の孫の手で叩かれてるのにゃー」
「ああ、そっか。昨日、猫ちゃんが背中がカユイって言うから」
「私が105円ショップで買ってきたんだ」
「帰りに転んじゃったのよね」「自転車が壊れなくて良かったわ」
「キャッキャッキャッ」
「ちなみちゃん、猫をいじめちゃダメよ。嫌がってるでしょ?」
「・・・・ごめんなさい」
「!」
「猫ちゃん、お馬さんしてあげなさい!」
「にゃ!?」
「わーい!おうまさんおうまさん!」
「ね、猫は馬じゃないのにゃー」
「よいしょっと・・猫ちゃん。この部屋をくるくる回ってあげて」
「トホホ・猫族の誇りが粉々にゃ・・・」
バシッバシッ
「キャッキャッキャッ」
「手でお尻をぶたないでなのニャー」
「ちなみちゃん、猫のお尻を叩いちゃいけません!」「めっ!」
「・・・・ごめんなさい」
「ぜーぜーぜー!猫は10キロ痩せたのニャ」
「プッ!猫ちゃん。ちなみちゃんに気に入られたわね」
「わーい!かめさんかめさん!」
「!、あっしはオモチャじゃありやせんぜ!」
「ちなみちゃん、亀の甲羅をひっくり返して置かないで!」
ジタバタじたばた!
「アネゴ!助けてくだせえ!」
ヒョイっ!
「ごめんなさいタル君。我慢してあげて」
「・・・・・・・」
「え?ハイハイ。みんな!おひらきよ。挨拶して、ほらほら」
「動物愛護協会に電話してなのにゃ、猫でしたニャー」
「亀もですぜ、またなっ!」
「ほら、ちなみちゃんの番よ?」
「キャハハハハ!ちなみでしたあ!キャッキャッキャッ」
「ふう、元気な子は無敵ね、A子でした」