最初の町
妄想は尽きることを知らないようです。
文章は滅茶苦茶ですがご容赦願います。
森を抜けて徒歩5分ほどで、目的の町にたどり着いた。どこの優良物件だよ・・。 見た感じ町はいたって普通に見え、しいて言えば甘い香りがするぐらいか?魔樹花の森に入った時に感じた甘い香りはこの町から匂っていたようだ。町の名前はアルラウネ町。 そのままじゃねえか!!!
もう、嫌な予感しかしていなかった。助けたアルラウネが騙しているということはないと思うが・・・ないよね? 多分アルラウネ達がたくさん暮らしているような気がする。ってか100パーそうでしょ?
お礼はほしい・・・でも・・一斉に襲われるなんてことも無きにしもあらずなのだ。
これはいかないでしょ?アルラウネだけ送って町はスルーしよう。そうしよう。あ、でも食糧と種族図鑑的なものは欲しいから・・お願いして貰えたら貰ってからいこう。
「君を疑うわけじゃないんだけど、もしかしたら町の人が急に襲いかかってきたりしたら面倒だからここまででいいかな? お礼は別にいいんだけど・・もしよかったら食糧と種族図鑑みたいなものがあれば頂けないかな?」
「私、騙したりしてません。ホントに助けてもらって感謝してるんです。万が一そんなことになったら私が町の皆を説得します。食糧等も町できちんと用意いたします。あなたに一切危害を加えませんから・・ですから、どうか一緒に町に来ていただけませんか?」
ヌヌヌ・・・困った・・すげーお願いしてくるんだけど・・騙す気がなかったとしてもねー?万が一ってか概ね間違いなく襲われるわ!! そういうフラグなんだコレは。
説得がどの程度効果をだすかわからないが、危険予知をしておくことに変わりはない。襲われる場合、複数が同時に襲ってくる可能性が高い。そうなるとただのモブであり武術メインの俺では到底無理な話なのだ。
対策があるとすれば、指揮者及び町のリーダーを直ぐに組み伏せることだろうか。複数を相手取らずリーダーのみ組み伏せ、降伏させれば希望はある。ただ、リーダーを組み伏せても止まらなかった場合は詰みなんですけど・・。
「んー・・わかった。一緒に町に入るよ。ただし、君の説得がダメだったら俺も身を守るために攻撃するよ?その後のことはどうなるかわからないけど・・それでもいい?」
あーあ、言っちゃた・・・外面を良くしようとするといつもこうなるんだよな・・。
「はい!!絶対説得します!!あなたに危害を加えたりさせません!!万が一無理だったらそれでも構いません。」
そう言って満面の笑みで美女が微笑む・・・惚れちゃうぞ?・・いいのか?容姿端麗、性格おだやか、胸もある、だが魔物orz。 最後が残念だが仲間・・いや・・俺の嫁に欲しい。
それはさておき、まず俺は無事に町から出れるのか考えようか。
「じゃあ、いこっか?」
「はい!!」
嬉しそうにしやがって・・可愛いじゃねえか・・ぐへへへへ。おっと涎が、あぶねーあぶねー。
町の中に入ると甘い香りが一層濃くなり、沢山の人・・いやアルラウネが町を歩いていた。ざっと見た感じアルラウネは身に纏っている花の種類、色がそれぞれ違っていた。
「アルラウネは皆、色とか花が違うのかな?」
「はい、そうなんです。それぞれが生まれたときから色も種類も違うんですよ?あ、ちなみに私の花はエリカという花なんですよ?」
エリカ・・・人の名前みたいな花だな。
「へー・・。最初見た時から白くて奇麗だと思ってたけどエリカって言う花なんだ・・。」
余計な事は省いて、褒めておく。 ちょっと臭かったか?
「え、わ、あ、あの、ありがとうございます。」
うん、正解だったみたいだな。照れてるのもヤバいな・・・。
そうこうしていると第一アルラウネがこちらに気づいた。俺を見て驚いた顔をし、すぐにどこかへ行ってしまった。 ん?これは なかまをよびにいったか?それともリーダーに報告しに行ったかな?
「さっきのアルラウネ、俺を見て驚いてどっか行ったみたいだけど・・?大丈夫かな?とりあえず先にこの町のリーダーに話を通して来てくれる?俺が行っても目立つだけだから、君だけでね。」
「はい!!わかりました。きっとわかってもらえると思います。では、行ってきます!!」
うまく話が通るといいなー・・・まぁここはまだ町の入口近いし、どうにもならなくなっっても逃げれるだろう。
しっかし、ここの甘い匂いは何なんだろう。別にダメージがあるわけじゃないんだけど・・・。これってもしかしたら状態異常とかに普通はなったりするんじゃないか?
もし、そうだとしたら・・スキルがなかったら最初の森で詰んでたんじゃ・・・。ボーナスサンキュー!
しばらくして、町のアルラウネが仲間を引き連れ町の奥から近付いてきた。説得はダメだったのか、いまだ説得中なのかはわからない。おおよそ40体のアルラウネの集団だった。
その集団の中から大きめのアルラウネがでてきた。多分こいつがリーダーだろう。
名前とLV、HPを確認してみる。
(Lv15 ボスアルラウネ 250/250 )
うん、名前通りですね。Lvが自分と同じだが、勝てるだろうか・・?今回は倒さないようにしないといけないんだよな。
とりま、周りは無視して速効でボスに近づこうかな。そこからお決まりコンボ、瞬零、震脚、馬歩衝捶決めて一撃じゃなければ、そのまま正拳突き、アッパー、ネリチャギ、膝蹴り、最後の地獄突きを外して脅しをかければいいかな? 途中で倒しそうならそこで地獄突き、脅しでいいか。
「人間が何の用があってこの町に入ってきた?」
もう攻撃プランしか頭になかったんだが・・なんか言ってるね。
「信じないかもしれないけど、そこの魔樹花の森でこの町のアルラウネを助けてやったんだよ。そしたらお礼がしたいから町に来てってお願いされたからこの町に入ってきたんだけど・・。ダメなの?」
「人間は私たち魔族何体も殺しているんだぞ。もちろん私たちの種族も例外ではない。そして人間は狡猾で残虐だ平気で嘘も吐く。そんな人間の事をどうして信じられようか?」
あー、はいごもっともです。俺は残虐ではない。狡猾で嘘吐きだけど。俺でも信じないかもだわ・・・。一応弁解しとくか。
「んー、俺はそんな残虐でもなければ狡猾でも嘘吐きでもないんだけど・・。そのお礼ってのをもらったらすぐ出ますから。それでもだめですか?」
「助けたのがホントであれば考えなくもないが、信じることはできないな。同胞の仇だ、人間、お前にはこの町で死んでもらおう。」
あーやっぱダメじゃん・・。最初から聞いてくんなし。入りたくて入ったわけでもねーよおバカ。
「死ね!!!」
ボス自ら攻撃を仕掛けてくる・・?やっぱりおバカ? なに?周りの奴ら野次馬なの・・・。案の定、周りのアルラウネは手を出す気がなさそうだ。 多分ボスを信用してるんだろう・・・願ってもいない展開だ。これでボスをボコれば万事丸く治まりそうだ。
6本の蔓が俺めがけて伸びてくる。触れるとその瞬間、蔓で拘束され詰みそうだな。そう考えひとまず蔓に拘束されないように慎重にかわす。蔓はしなったり、針のように尖ったりと形状を変えながら俺に襲いかかってくる。まあ当たってあげないんだけどね。
当然相手も蔓攻撃だけではない。相手は蔓を操りながらも自分の花から粉を撒き散らしてきた。さすがに、粉は範囲が広くよけることはできずに浴びてしまう。相手は勝った!!的な顔してるけど・・・・・何も起きませんよ?
相手がドヤ顔決めている隙に俺は当初のプラン通り瞬零、震脚、馬歩衝捶決めて一撃を放つ。容姿が女だろうが関係ない。顔だけはやめても・・いや・・顔も勘弁してやらん。HPにして150程減っていた。
そのまま正拳突き、アッパー、ネリチャギ、この時点でHPが10を切っていたのでここで地獄突きを打ち、わざと外す。 ま、こんなもんでしょ?
「もう、充分でしょ? まだやります?」
「ま、まいりました。う、疑ってすみませんでした。この町でゆっくりしていってください。」
意外とあっさりボスは負けを認めた。
すべて片が付いたところで、ようやく(俺の嫁の)アルラウネが帰ってきた。 期待してなかったしお決まりですね。わかります。
「あれ、もしかして説得する前に片がついてしまいましたか?」
「うん、まあ町にいることは認めてくれたみたいだよ?」
「ホントにあなたはお強いですね・・。」
そんなことはない・・・相手がおバカだったんだ。とはもちろん言わない。
「ん。それほどでもないよ。」
ま、強くはないんで事実を述べておく。
ひと悶着あったがこれで町で少しはゆっくりできそうだった。
アルラウネの名前を出してないのは忘れているわけじゃないですよ?
読んでくださってありがとうございました。