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いじめっこ3体は攻略できたのだが、アルラウネの処遇に困っていた。別段攻撃をしてくる素振りはみせないのだが、近づこうとすると険しい目つきで睨んでくる。


「$t#`+:@^f\?*;dd<@。」


 何か喋ってる?魔物って喋んのか?クマやら木やらは吼えてるだけだったが・・あ・・そういえば、スキルあったの忘れてた。言語翻訳のスキルを使えば会話できるはず・・対象が魔物でも大丈夫だよな?

 言語翻訳スキルを使用してこちらから話しかけてみる。


「まあ落ち着いて、まず俺は敵じゃない、君が3対1で攻撃されてて苦しんでたから君を助けただけだ。」


 お、若干表情がやわらいだか?とりあえず言葉が通じたみたいだ。俺自身は普通にしゃべただけだが、そこはさすがスキルといったところだな。


「え、敵じゃないんですか?でも人間は魔物を退治するものだと聞いていますよ?さっきも近づいて退治しようとしてたのではないんですか?」


 やっべ、すっごい声可愛いんですけど・・・・まあ魔物は退治するんだけど、悲鳴を聞いていじめられてるヤツはほっとけないですよね?ん、逃げようなんて思ってなかったゼ!


「いや、俺に危害を及ぼす魔物は退治するよ?んでも、困ってるのが人にしろ魔物にしろ助けるのは当然だよ。さっき近づいたのも心配だったからで、何かできることは無いかなと思っただけなんだよ。」


 我ながら完璧すぎる好青年を演じてしまった。そんな大層なこと思ってなかったし、そもそもモブに何かできる事なんてないよねー(笑)。結構美女だったから助けたってのもあるし。・・・クズじゃん俺。


「ホントですか?信じてもいいですか?」


「もちろん大丈夫。俺を襲うようなことをしたら保証しないけど。しなければなにもしないよ。」


「しないです!しないです!助けてもらったんだからするわけないですよ。それで、折り入ってお願いがあるんですけど、助けてもらったお礼をしたいので私の住む町まで一緒に来てはいただけませんか?町は森を抜けてすぐなんですけど。」


 むむ、むむむ・・この森を抜けたら町があるのは知っているが・・・あれ?もしかして魔物が暮らす町ってこと?まてよ、魔族と人間が共存している可能性も・・・いやないわ・・人間は魔物を襲うものらしいし、その逆もまた然りだろうし。 お礼してくれるらしいし悪いようにはされないはずだから、とりま行ってみますか。


「そのぐらい全然頼まれるよ。俺が責任もって町まで守ろう。あ、道案内は任せるけど大丈夫?」


「はい。全然大丈夫です。では、お言葉に甘えさせていただいて、町までよろしくお願い致します。」


「了解、俺に任しといて。」


 これまでは自分一人だったが町までは2人?になり少し楽しいかなと思ったのだった。



 現在、森をどんどん先にすすんでいるのだが、俺はHPに余裕があり疲労感を感じていない。一方アルラウネはというとダメージを受けているせいかキツそうな顔をしている。 んー少しでもHPを回復させれば違うんだろうけど・・治癒魔法なんてあるわけないし、回復アイテムも持っていない。

 

 自分が使えるの・・吸収魔法・・・ん?・・・そうだよ・・吸収魔法で襲ってきた魔物からHPを吸収しちゃえばいいんだ! HPドレインは与えたダメージの1割を吸収と少ないが譲渡が可能なのだ。試してみるか。一応許可は取っておくか。


「アルラウネ、今から君のHPを回復させようと思うんだが。ただ、少し時間がかかるけどいいかな?」


「え、時間は全然大丈夫ですが、あなたは治癒魔法を使えるのですか?」


「いや、治癒魔法もアイテムもないんだけど・・・数回戦闘するけど、俺が全部倒すから少し見てるだけでいいんだけど。何とかなるからさ、俺を信じてくれない?」


「もちろん、信じますよ。やり方は私にはわかりませんが、そうあなたがおっしゃるならお任せしますね。」


「ありがとう。俺に任せて。」


 以外にもあっさり了承してくれた。結構信用・信頼されてるみたいで素直に嬉しい。 元いた世界で信頼関係なんかなかったから余計に嬉しい気がする。 その信用に応えなきゃな。


 おそらく今の俺なら【瞬零】からの、震脚、馬歩衝捶の攻撃でこの辺の魔物は一撃で倒すことができるはず。これを繰り返して10回程【HPドレイン】を使用すれば大体HPにして50くらい吸収できそうだな。

よっし、スポンジモブ本領発揮だぜ! 


 

 森の奥にいるからか、魔物の種類とレベルが少しずつ上がっている。まあ俺程ではないので些細なことだが、油断せずに行こう。キリッ。 

 そして、魔物を一撃で倒しつつHPドレインを使用しその度にアルラウネへ譲渡していき、およそ40程のHPを回復し終えた。


「すごいですね・・こんな魔法があるなんて聞いたことがなかったです。もう私は十分回復させていただいたのでそろそろよろしいのではないですか?」


「そう?君が言うならこのぐらいにしとこっか。」 


そう言って切り上げようとした時、間の悪いことに一際デカイ魔物が襲いかかってきた。


 (Lv10 ジャイアントン 90/90)

 (Lv12 フォレストG 300/300)


  な、なんだと・・・片方はでっかいアリに見えるが・・・もう片方は・・・・・・Gって・・・・・

うぇええええええ、気持ち悪ッ!!! 何だフォレストGって回復薬Gみたいになってんじゃないかよ。むしろグレートなGとかならよかったよ!! このGはダメだって・・・・・殴りたくないわー・・見たくもないけどさ。


 アリの方はデカイだけでHPが多くないので震脚、馬歩衝捶のお決まりコンボで一蹴。問題のGにやってまいりました。あーホント気持ち悪いー・・寒気がする・・殺虫剤ほしいわ・・。Gはこの世界でもしぶといのかHPがLvにしては高い、自分よりも少し高い。


 うん。やっぱりGは無理・・・逃げよう。闘って勝てないことはないが別に無理して戦う必要もないのでここは戦略的撤退だ。


「アルラウネ・・逃げるよー。」


「え、どうしてですか? あなたなら簡単に倒せそうですけど・・?」


 はい、至極ごもっともです。


「いや、無理する必要ないかなーって思ってね。君は充分回復したみたいだしさ。それに・・・気持ち・・悪い・・・・ゴニョゴニョ・・。」


「あなたがそういうなら、いいんですけど・・。あ、もしかして・・」


 ヌッ!!もしかしてバレたか?Gが嫌いで気持ち悪いから戦わない事が!!へタレだという事が!!


「私のために連戦してくれたせいで疲れてしまったのですか?」


 連戦してて良かったーーーーー!!初っ端からG来たら詰んでたなコレ・・。Gなんて恐ろしいんだ。

そして何よりこの子いい子だなー。勘違いGod job!!


「ん、あ、そうそう、それそれ。そうなんだよちょっと疲れたかな。」


 シメシメ、うまいこと便乗してごまかすことに成功したぞ。でも、いざとなったらちゃんと倒すからね?


「そうでしたか・・。私のせいで申し訳ないです。そういうことでしたら逃げましょう。」


「ありがとう、助かるよ。」


 君は全然悪くないのに・・なんかすいませんorz。


 さっきから逃げているのだが、Gも追ってきていたので逃げ切れずにいた。もう来んなし。どうにか足止め出来ないだろうか? 俺には攻撃して吹っ飛ばす方法しか思いつかなかったが、これは即却下だ。


となると、アルラウネにお願いするしかないのだが・・できるかな?


「逃げても追っかけてくるからキリがないね。足止めしたいんだけど俺には難しそうなんだけど・・。君には何か方法があるかな?」


「あ、それなら簡単にできますよ。あなたに何か考えがあるのだろうと思っていたので、言わなかったのですが・・そういうことなら、すぐやりますね。」 


 そう言うとアルラウネの体から茨のようなものが伸びていきGを難なく拘束した。すぐ言ってよ・・。

アルラウネのおかげでそのまま逃げ切ることに成功した。もうGと遭遇したくないので敵無視でさっさと森を抜けよう。


 そこから先はあっという間だった。敵と出くわしてもスルーし、逃げきれなくなれば茨で足止めの繰り返しで森の出口まで一気に駆け抜けた。森を抜けてすぐの所には小さな町並が見えていた。

 

 Gはホント気持ち悪い・・・

 

 魔物がヒロインでもいいですよね。




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