森突入・初戦闘
趣味、妄想で書いています。
文章力は相変わらずです、ご容赦ください。
背中の痛さで目を覚ますと、そこには紫空が広がっていた。いやいや、まてまて、ふつう青空だろ。
一人ノリツッコミはさて置き、起き上がって周囲を見渡してみる。
悲しいかな目に見える風景すべてが毒々しい色に染まっている。異世界は間違いなさそうなのだが、もうちょっと場所を考えてほしかった。とりあえず、この場所のことは後回しでこの世界で現時点でできることを確認しておこう。
まず、ステータスを確認してみるか・・・で・・・・どうやってやるの?
こういうのは頭の中でステータスと念じてみたら、表示されなかった。んー声に出すとどうだろう?
「ステータス」と声に出してみる。すると目の前にステータスウィンドウが表示された。声にだす必要があるみたいだ。
卜雅 武
所持金 1500D
【装備品】学生服
Lv1
HP 30/30
(いわゆる体力、基本的にダメージで減るが疲労、空腹時にもわずかに減少する。この値が0になると人生が終わる。)
MP 20/20
(魔法を使用する際に減少する、状態異常やダメージにより減る場合もある。これは0になっても人生終了にはならない。)
攻撃力 20 (武器や直接攻撃で与えるダメージに影響する。値が大きくなれば与えるダメージも増加する。)
防御力 10 (直接攻撃で受けるダメージに影響する。以下同文。)
知力 10 (魔法攻撃で与えるダメージに影響する。以下同文。)
精神力 15 (魔法攻撃で受けるダメージに影響する。以下同文。)
機動力 15 (通常時、戦闘時の移動速度に影響する。この値が上昇すれば回避もしやすくなる。)
集中力 15 (直接攻撃、魔法攻撃の精度が上がり、クリティカル発生率が上昇する。)
【魔法・スキル】
・吸収魔法
【HPドレイン】敵に直接攻撃を加えた際、与えたダメージの1割をHPとして吸収する。(武器、魔法攻撃では発動しない。)吸収したものを譲渡することも可能。消費MP2
・全状態異常無効 (ありとあらゆる状態異常を無効化する。)
・不意打ち・即死無効 (不意打ち、即死攻撃を無効化する。ただし純粋なダメージによる即死は防げない。)
・言語翻訳 (ありとあらゆる言語を自動翻訳し、理解することができる。相手の使用する言語に合わせて会話することも可能。)
【称号】
・モブの自覚者 ・スポンジモブ
ステータスにはすべて事細かに説明書きが添えてあった。ほんとご丁寧に御苦労様です。
これからを考えると俺に知力の値はあんまり必要なさそうだ。知力低くても馬鹿にはならないよね?
パラメーターは優先して攻撃力と機動力の値を伸ばすことにしよう。
スキルに関しても全部説明がある。だろうと思っていたけどやっぱり、オーバーキルの攻撃は無効化できないみたいだ。たかだかモブキャラにオーバーキルとかするような奴がいない事を祈るか。
んーいや、気にはなってたけど称号が2つついてるな。モブの自覚者・・これは何となくわかる。
問題は次だ、何だよ、スポンジモブって・・・・誰だこんな称号付けたやつ。
どうせ俺が吸収魔法を使うモブキャラだからって安易な発想から面白半分でつけたんでしょうね、誰かが。
称号に関して文句をぶつぶつ言いながら一通りステータス確認を終え、とりあえずの目標を決める。
ひとまずここにいてもしょうがないので、適当に歩いてみることにした。町がこの周辺にあればいいのだが、ざっと見た感じ町は見当たらない。どっちに行っていいのかわからないのでただひたすら右手がわに歩いて行く。方角がわからないから右手がわに行ってるだけなんだからな。
30分ぐらい歩いただろうか、体感なのでもしかしたら5分かもしれないが、そこで立札を見つけた。
(ここより先、魔樹花の森、森を抜けると町有り。)
うげ、町の前に怪しげな森を抜けないといけないっぽい。今の今まで一回も魔物に襲われていなかったのだが、さすがにこの森の中は・・・絶対戦闘あるよね?んー入るはいいが敵のレベル帯がどの程度なのかもわからないままってのは明らかに自殺行為だな。でもそれを知る術もないので、一旦入って強さを確認して無理そうなら出よう。いけるようなら進めばいいしね。ということでいざ出陣じゃ。
魔樹花の森に入ると、まず最初に感じたのはすごい甘い香りだった。花の香りにしては不自然なほど甘い。どっちかというとメープルシロップみたいな甘さに近い感じだ。とりあえず深入りしないで魔物がいないか探してみることにする。
森の入口からできるだけ離れないように近場を散策していると、あっさり魔物を見つけることができた。魔物の頭上にLv・名前・HPが表示されている。
Lv5 フットウッド HP60/60
人間の足裏のような形をして、顔もある変な木の魔物だ。どんな攻撃をしてくるかわからないので少し不安ではあるが、このLv差ぐらいなら多分何とかなると思う。さあ戦闘開始だ。
俺は走って魔物まで駆け寄った。自分には遠くから攻撃できる武器も魔法もないので、一気に間合いを詰めることにしたのだ。実際自分の攻撃がどれほどダメージを与えられるかもわからないのだが、できれば威力の高い攻撃で手数を減らして倒したい。当然ダメージを受けないことも必須事項ではあるが・・。
そして、魔物との距離が縮み魔物もこちらに気づき攻撃の態勢にはいる。攻撃をしかけず相手の出方を伺っていると、しびれを切らした魔物が跳躍し、俺めがけて体当たりを仕掛けてきた。スピードはそれほどなく落下して向かってくるだけなので落下点を予測してこちらも攻撃態勢にはいる。
腰を落とし、魔物に対し右足を前に左足をやや後ろに置き右手を構える。相手が落ちてくるタイミングと相手との距離を計って左足をあげ、やや前方に叩きつけ一気に踏み込み急加速。それと同時に右足を少し浮かせ魔物に向けて右拳を伸ばしていく。魔物に触れる瞬間右足の先を左に向けながら地面に叩きつけ左肩を背中に引きよせる。習ったうろ覚えの八極拳・・これで正解だよね?
そして、届いた拳が魔物に突き刺さる。すぐに少し距離をとりダメージを確認してみると、50もHPを削っていた。とりあえずダメージがでて一安心。しっかし、想像以上の威力だな。
HPが減った魔物は怒り状態となり連続で体当たりを仕掛けてきた。最初に比べると数段速くなっているが、まだよけることができる。残りHP10だが隙を見せるまでは攻撃をよけ続け、隙を見せたところでネリチャギをくらわせると、魔物は煙になって消えていった。
「あーチートが使いてー・・こんな戦闘これからずっとはきついって・・orz。」
初戦闘は疲弊しながらも勝利をおさめることができたのだった。