次の街へ
趣味の時間がへりぎみです。
妄想100パーと文章力は相変わらずです。
ムフフな夜を終え、翌朝。この街に来て3日目だが、今日はまだ見てないところがあれば回ろう。無ければこの街を出て新しい俺のよ・・・仲間探しでもしよう。
この2日で街の大通りは回りきったし、案内所とかで目ぼしい場所がないか聞いてみることにした。案内所に行くのに結構迷っちゃった。テヘ☆。
案内所には案内人が数人待機していた。デーモン族の男性とラミア族の女性が多くいた。、当然女性の方がいいに決まっているので、ラミア族の女性に俺達がこれまでに回った場所を伝え、それ以外ではどこか目ぼしい場所はないか尋ねてみた。
「そうですね・・・大通り付近はそれ以上のものはないですが・・。裏の方に行けば、娼館、奴隷商店等お客様好みのものがあるかと思います。」
俺の好みがわかるのかこの女は・・。まあ興味はあるけどさ。
娼館は恐らく、むふふなお店だろう。リリネイがいないければ間違いなく娼館直行だったな・・・。
奴隷商店か・・この世界には奴隷制があるみたいだ。
あまりいい気はしていないけど、郷に入っては郷に従えというし、ここの世界では是非推奨させて頂きます。我ながらどうしようもないクズ野郎だった。
「じゃあ奴隷商店ってところに案内をお願いできますか?」
「畏まりました。ご案内いたします。」
内心うきうきワクワク興味津々だったが、そんなことはおくびにも出さず冷静を装って案内人に着いて行った。
商店に着いたところで案内人と別れ、俺たちは店内へと足を運んだ。
店内に入ると燕尾服を着たイケメン魔族が出迎えてくれた。見た目は人間に近いようだが肌が驚くほど白く眼も赤く染まっている。俗に言う吸血鬼のように見えた。
「いらっしゃいませ。初めてのお客様でいらっしゃいますか?」
「はい、そうです。初めてなんでいろいろ教えていただけますか?」
「もちろん。そのつもりでございます。では説明いたします。初めに、ここは奴隷商店チュージャ支店でございます。奴隷商店では文字通り奴隷を取り扱っておりまして、奴隷の購入はもちろんのこと売却も承っております。購入も売却に関して基本どなたでも行えますが、奴隷が奴隷を購入、売却等はできません。」
うむ、奴隷という身分でなければ問題なく利用できそうだ。
「奴隷には鑑定書と誓約書がついておりまして購入する際には鑑定書でその奴隷についての情報を確認することができ、購入した時には誓約書で誓いを立てる必要があります。売却時も2つの書類が必要になりますのでご注意ください。」
んでも、なんか物を扱うみたいで気持ち悪いんだよな。人を人と思っていないような扱い方だし。
「説明は以上ですが、また何か気になることがありましたら気軽にお聞きください。ではさっそく、現在当店で取り扱っている奴隷をご紹介いたします。」
そう言って燕尾イケメン魔族が奥の部屋へ入っていった。
さすがにこのタイミングで商店を出たらダメかな?
イケメンが後ろを振り返ると誰もいない・・ってのが面白そうなんだけどなんかそのあとが怖いので止めておこう。とりあえず、イケメンについて奥へとすすんだ。
奥へすすむと広いコンサート会場みたいな場所にでた。
正面にはステージがあり、その周りには観客席のように椅子がところせましと並んでいる。
「ここで奴隷の売買を行っております。この支店では基本的にオークション形式で売買がされますが、支店ごとに売買方法は異なりますのでご注意ください。今正面のステージに並んでいるのが今から取引される奴隷たちです。」
ステージの後ろのあたりを見ると20人くらい並んでいるのが見えた。ガタイのいいデーモン族の男や、妖艶な雰囲気の女郎蜘蛛の女、幼いラミア族の女、骨太なスケルトン、涎だらだらのツインハウンドやら魔族だけにとどまらず魔物っぽいのも見える。
一通り奴隷のラインナップに目を通していると、見たことのある服装が目に付いた。それは、俺と同じ学校の制服をきた女子生徒だった。うん、知らないやつだし、ゆるい巻き髪とミニスカートからはビッチ臭がぷんぷんする。
しかしまあ、この世界でいきなり奴隷になってしまうとは・・ご愁傷様です。
ドンマイ!ビッチ!
見たことあるから買うとかじゃないので、まぁほっておく。
同郷のやつが奴隷になっていたのには少し驚いたが、一通り目を通し終わった。
可愛い子や奇麗な子はいたんだけど、如何せん爬虫類やら虫やらの関連の魔族の方々が多く、それ以外はほとんど男の魔族ばかり・・・これは無いな。
「申し訳ないんですが、今回は気に入る奴隷はいなかったのでお暇しますね。」
「そうでしたか。今回は珍しく人間の者もいたのですが・・お気に召しませんでしたか。」
ビッチなんかにはまるっきり興味がないのでお気に召しませんです。はい。
「残念ながら、そうですね。また機会がありましたらお世話になります。では失礼します。」
そういって俺たちは奴隷商店を後にした。
奴隷商店がどんなものか知ることができたので、よしとして。
もうこの街でやることはないかな。だいたい全部みてまわったしあんまり長居してもしょうがないそろそろ次の街でも目指そう。
「リリネイはこの街の周辺に知っている街があるかな?」
「この街自体もあんまり知らなかったので、周辺についてもあまり詳しくしりません。タケル様のお力になれず申し訳ありません。」
「そっか。いやいや、知らないならしょうがないよ。じゃあこの街の人に聞いてみよう。」
詳しい人に聞くのが一番いいんだろうけど・・・誰にきこう?
案内所の連中に聞いてみると何かわかるかな。
案内所に足を運び、そこにいたデーモン、ラミアに聞いてみると、いくつか情報を得られた。
一つはこの街の北には大きな山があり、そこをこえた先に雪女族が住む集落があるとのことだった。当然寒い場所らしいので準備万端で行ったほうがよさそうだ。
二つ目はこの街の東へすすむと砂漠がありその砂漠をぬけると炎鬼族がすむ火山街があるそうだ。ここは当然とんでもなく暑い場所なので要準備だ。
三つ目はこの街の西へ進んだ先にある川をこえた場所に街があるらしいのだが、あまり行ったものがおらず情報が曖昧で詳しくどんなところかはわからなかった。ただ言えるのは暑くも、寒くもないという事だけだった。
暑いのも寒いのも願い下げなので、三つ目の街を目指すことにした。情報が少なすぎて不安ではあるがそれなりに危険なのはどこも一緒だろう。どんな魔族がすんでいるのだろうか?
目標を決め、今日は宿に泊まり翌朝宿を出ることにした。当然今日もリリネイとイチャイチャ営みながら二人一緒に眠りについた。
翌朝ベッドで抱き合いながら目覚めの口づけを存分に味わってから二人で起き、朝食をすませた後、街の西門へと向かった。
街を出たら敗北はしないようにしないと、すぐに命が尽きるということをしっかり頭にいれておいた。殴られ屋のときの様な事がないよう気を引き締め【チュージャ】の街を出た。
決意新たに街をでたはいいが、何事もなく川までたどり着いてしまった。いや、別に悪くはないんだけどね。
川の少し上流のほうを見ると橋が架かっているのが見える。
すぐに端までたどり着いた。橋の前には立札があり、こう書かれていた。
【ここは、ざんスのかわ。渡った先は死者の国~。】
む。ざんス?三途の川じゃなくて?でも橋の先は死者の国って書かれているが・・。
これわたって大丈夫かね。橋を渡ったら地獄でしたみたいなノリはやめてほしい。
ま、考えてもしかたないか、三途の川ではないんだし渡ってみるか。
橋自体はあまり頑丈ではなく所謂吊橋みたいなロープが切れたら即落下といった感じの橋だった。
川の流れは結構速く、落ちてしまえばそれこそ死者の国へ直行だ。
俺たちは手をつなぎながら片方の手でロープを持ちながらゆっくりと橋をわたり、ぐらぐらゆれながらも橋を渡りきることができた。
橋を渡りきって気づいたがあたりが暗くなっていた。橋の向こうはまだ日が昇っていて明るかったはずなのだが、ここは日が昇っていなかった。いやな雰囲気がする場所だ。
ここでじっとしててもはじまらない、またまたリリネイと手をつなぎながら先へ進む。怖くなんかあるんだからね。もう怖すぎる、俺はどうしようもなくビビっていた。
一方リリネイは手をつなげていることが嬉しくて顔を赤らめていたのだが、今回はそれを確認する余裕は俺にはなかった。
辺りは真っ暗なのだが不思議と前が見えなかったりするわけではなく、びびりながらも着実に先に進んでいた。ただ後ろを振り返ってももう川も橋も見えなくなっているので、下手に引き返すことはできなくなっていた。
進んでも進んでも闇、闇、ダークネス、不思議とあほなことを考える余裕は出てきていた。
「リリネイは暗闇とか大丈夫なの?ずっと平気な顔してるけど。」
「タケル様と一緒だから全然こわくありませんよ?」
なに当り前なことを聞いてるんだと言わんばかりに可愛く首をかしげながらそう言った。
お、俺はリリネイと一緒でも怖いけどね。
「そ、そっか。ならいいや。でも進んでもなんも見えてこないけど・・あってんのかなこっちの方向で。」
周りが見えないため、適当に橋からまっすぐ進んでいるだけなのだがいっこうに何も見えてこない。
それからどれくらい歩いただろうか、ひたすらまっすぐ歩き続け、ようやく目の前に街の入口が見えていた。いや、街というより墓地?に近かった。 外観からしてもう街ではなかった。
ただでさえ暗闇でおおわれているのにそのうえ墓地って・・・絶対なんか出るフラグ立ってるやん。
幽霊とかマジ勘弁・・そう思いながら新たな街?に入って行った。
次のヒロインまだかな・・
ここまで読んでくださってありがとうございました。