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断罪屋『裁島』  作者: 夕夜鶴
第一章『サバキサバキ~断罪屋と殺し屋』
7/11

第五回『レンカイ(連続崩壊)』

残酷なこの世だ もっと残酷にしても構わないだろう?


「悪いがそれでも戦わせてもらうぞ。俺達のようなものにとって貴様は絶対的な対等的な敵だ」

そう言い俺はナイフを取り出す。

そして逆手持ちをし、姿勢を下げる。

そうすると、表裏殺しも、後ろの壁に突き刺さってあった日本刀を右手で掴み引き抜く。

「俺にとっては貴様は軽視すべき敵だ」

そう言うと、黒白殺しの時の同じように銃声の音が鳴り響き、こちらに向かってくる。

そして、こちらに接近後、右から左に横に斬ってくる。

俺はそれを逆手持ちしたナイフで防ぐ。

そして、使っていない左手で顔面を殴る。

表裏殺しはそれを右に避ける。

そして両手持ちしていた刀から左手を外し、その左手を手刀に変化し、それを俺の顔面目掛けて突いてくる。

俺はさっきまで攻撃として突き出していた左手でその攻撃を防ぐ。

これで完璧に雁字搦がんじがらめの状態になった。

この状態から俺は右足で表裏殺しの左足を蹴る。

が、その時、表裏殺しも左足で俺の右足を蹴り飛ばしてきた。

そこで二人ともバランスを崩し、雁字搦めだった体勢が解けた。

そして、バク転をし、後ろに下がる。

俺は、そこから表裏殺しに向かい高速で低姿勢で、ツッこむ。

ナイフと日本刀の斬撃がぶつかり合う。

その間にナイフが3本完璧に壊された。

残り2本。

そこから俺は両手持ちにし、攻撃を続ける。

そしていくらかたって同時に後ろに下がる。

「くそ、キリがない」

どちらも傷は負っていない。

いや、被害ということで言えばこちらのナイフの被害しかない。

「諦めろ。貴様に勝ち目はない、いや負けるということしかない」

と、表裏殺しは無表情のまま、そう俺に語りかける。

「ハッ、そうかよ」

でもな、と俺は続ける。

「テメーみたいな自信家はこういう時に殺すのが、一番気持ちいいんだよ!!」

「フッ・・・だがそんなこと言ったところで、貴様にしか今被害はない・・・これがどういうことか分かっているだろう?」

「俺が・・・」

「?俺がなんだ」

「俺が・・テメーみたいな絶対強者にただ突っ込むただの馬鹿だと思うのか?・・・そんなんだったら俺はもうとっくに死んでんだよ」

そう言った瞬間、路地裏の周りの建物が爆発する。

「テメーみたいな強者は気が緩んだ時が一番弱い。いや一気に恐怖しやすいというべきなのか?」

そんなことを言っていると、爆発した建物の残骸が、表裏殺しに向かって落ちていく。

「それでも・・・・俺が一番弱くなってときでも、お前は俺に勝てない」

そう最後に告げ、『有無愚狡』は残骸の中に埋もれていった。

「一応、勝ったのか?」

そう俺はぼそりとつぶやき、路地裏の出口へと向かう。

そこには『名残』がいた。

「よお、あんた、久しぶりやなあ」

「・・・どうも、お久しぶりです」

「なんやよ、何でじゃそないにそっけへんんや?わしとあんたん中やないか。もっと、フレンドリーでええんやぞ?」

「いや、そういうつもりじゃないんですけど・・・・」

正直言うと、この人とは会いたくなかった。というのが事実である。

この人に会うとロクなことがない。

「随分、おもろいことやってるみたいやったから、わしも混ぜて欲しいと思ったんやけど、よう終わったみたいやな」

「ええ、もう終わりました。というか大体、おもしろいことでも、なんでもありません。ただの殺し合いですよ」

「ふ~ん、どなたはんと殺しおしたんや?」

「有無愚狡とです」

「うわあ~随分とでかい敵と戦ったな。で、結果どやったんや?」

「今はきっとあの残骸の中に埋もれているとおもいますよ?」

「ほうか。よお頑張ったな~。トコで、話は変わるやけど、無残がどこにやはるか知らんか?」

「すいません。分かりません。鬼流に聞けばわかるんじゃないんですか?」

そう俺が言うと、

「ほうか・・・そない分かれば、鬼流んトコに行ってくるわ。ほな達者でな」

そう言うと、名残は跳んで消えてった。

「んじゃ、俺も帰るか」

今回のパトロールは最悪なものだった。


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