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全ての始まり


海の見える田舎の病院の一室

そこに二人の人間の姿があった。


一人は老人でベッドに伏せていて、もう一人は壮年の男で、彼の側に座っていた。


老人は一枚の写真を無表情で眺めていたが、やがてニヤリと口をゆがめると心底楽しそうに呟いた


「・・・コイツはあの時の・・・懐かしいものだ」


そう呟くと、老人はふと海の方に目を向けた。

彼の名は、藤村亮輔

元日本陸軍少佐だった男だ。

私が追っているある人々の一因であり、同時に彼らのことを誰よりも最も知っている人物

だ。


「全ての始まりは・・・あの満州の地からだった・・・」


この言葉から物語の幕は上がることになる・・・。



























全ての始まりは資料室で見つけた一枚の写真からだった




私はとある雑誌出版社でライターをしている。

といってもここ数年、私のデスクは窓際にうつされてしまった。

私に回ってくる仕事もほとんどが史料整理などの雑用でしかない。

もう60の大台が迫ってきていることから考えて

多分、早くやめろっていうサインなのだろう・・・。

ソレも悪くは無い。

が、どうせ止めても暇でしかない。

家族と過ごす・・・というてもあると言うが妻はもう30年くらい前に浮気されたうえに駆け落ちされてしまい、娘も数年前に嫁に言ってしまった。

半年に一度、孫娘が遊びに来ることくらいが唯一の楽しみだったりする。


しかしそれだけでしかない。

それにキリもいいことだし、どうせなら60くらいまで続けてやろう


そう思ったりしていた。


そんなある日、何時ものように社の資料室で整頓をしていると一つの奇妙な写真を見つけた


白黒の写真で戦車をバックに数十人の将兵が笑顔で並んでいる。


多分、戦争の時の写真なのだろう・・・。


なんとなく手にとってじっくりと見てみると私はある不審な点に気が付いた。


写真の中央に立つ一人の男

その手に持っているのは軍刀ではないのだろうか?

ついでに写真に写っている将兵の顔は皆どこかアジア系のような顔立ちをしていた。


それが日本軍の将兵ならなんら問題は無いと思うだろう。

だが問題はここからだった。


彼らのバックの戦車

それにドイツ軍戦車のマークが付いていたのだったのだから・・・





何故日本兵がドイツ軍の戦車と一緒に写っているのだろうか?

ソレを私は無償に調べたくなった。


どうせもうすぐ定年なのだから、最後くらい好き勝手やってみたいというなりふり構わない気持ちもあったのかもしれない。


20も年下の編集長に年甲斐もなく頭を下げ、予算はほとんど自腹も同然だったが、なんとか取材を認めてもらうことが出来た

彼も無駄飯ぐらいの私に辟易しており、最後くらいは・・・とでも思っていたのだろうか?

まるで刑事ドラマの主人公じゃないか・・・


そうして、都内の軍装屋や図書館などを回り、聞き込みなどを進めた結果、一つの話を耳にした。


かつて、欧州に派遣された日本軍部隊があったと言う話だった。



さらに取材を進めていく内に、私は一人の老人とであった。

ソレが藤村だった。

そして私は、彼からあの戦争の中で戦った男達の栄光と因縁に満ちた物語を聞くことになるとは、そのときはまだ予想だにしていなかった。



月刊ミリタリー雑誌「Z」 

連載シリーズ「ある日本兵達の物語」より抜粋






久しぶりに生き抜きにssを描いてみようと思って作ってみました。

更新速度はきわめてゆっくりになりそうな気がします。

ついでに物語りもまた貧乏くさいものになりそうです。

(そんなの自分が書けるかどうかははなはだ疑問ですが^^;)

まあ、そんな感じです



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