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4 愛しい我が子

「レティシア!」


突然レティシアが倒れた。


「しーっ!奥様、お嬢様は寝ているだけです」


レティシアの寝顔を見る。

ぷにぷにの頬に父親譲りの金髪。


「愛してるわ」


自然と口から出てきた。


見ない間にこんなに大きくなって……。


私がレティシアを抱きしめているとジークがレティシアの頭を撫でながら低い声で言う。


「レティシアがいた場所は、グレイ伯爵家」


「嘘……。ジークハルト、『あの』伯爵家にいたって、どういうこと?」


私はは我にかえり、青ざめる。


グレイ伯爵家は悪い噂が絶えない。

伯爵は傲慢で横暴だと聞く。


後ろに控えているリアナがもう我慢できないと口を開く。


「公爵様、お嬢様の姿を覚えていますか?食事は一日に一回で暴力を振るわれていました。使用人がそれを止めようと声をかけるとその使用人は次の日から来ませんでした。だからお嬢様には味方もいませんでした。私はこっそり食事を持って行くと、それだけであやまられるのです。レティシ、お嬢様は悪いことをしていないのに!」


しんとみんなが静かになる。私は言葉を失う。


「死にたいようだな」


ジークはとても怒っている。


「でも父上、怒りのまま罰を与えるんじゃなくてさ、もっと死にたくなるような思いをさせてはいかがでしょう」


ルークの言葉にお父様が頷く。

我が息子ながらだんだんジークハルト・ウェンナイトに似て気ているのは気のせいかしら。


私はレティシアの顔を見る。


辛かったでしょう、寂しかったでしょう。


ごめんなさい。

お母様は母親失格よ。


でもルークもジークも私も世界で一番貴女を愛してるわ。


私の愛しい子。

 


レティシアを部屋に連れて行き、湯浴みが終わった。


私は窓の外を見る。

あの日も、ちょうど今頃かしら。

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