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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

アイのカタチ

作者: Mio

おい、どこに行くんだ?」


「学校よ。お父さん、学校は行かないといけない場所なの。だから許して。」


「でもお母さんみたいに死んだりしたら…」


「大丈夫。私は生きてるから。だから行ってくる。ちょっと今日買い物行くから遅くなるけど6時には帰って来るから」


「あぁ…、分かった。」


父は母に執着していた。別に母は嫌だとは思ってなかった。だが母は昔から病気になりがちで突然倒れ急死してしまった。そして今まで母に向けていた執着心が死んだ途端、私に向いた。一緒にいないと寝れない。辛い。今の父はそんな感じだ。買い物って言ってるけど本当は違う。ただただ少し解放されたかったのだ。学校が終わったらぶらぶら学校近くを回っていた。その時、


「君、どうしたの?」


高身長で顔が整ってる男性。意外と私のタイプだ。


「あ、今帰るところです。」


すんなり私は事情を話した。


「ねぇ、僕の家来ない?家、帰りたくないんでしょ」


なぜかその男性は自分が思ってる気持ちを言ってないのになぜか分かっていた。この人一体何者?そして私は口を開いた。


「すぐ帰りますけど、いいですか?」


なぜか了承してしまった。ある意味誘拐なのかも知れないのに。


「いいよ。君は美味しそうだ。僕の好み。」


「?」


男性はなにかを呟いたが小さい声だったので聞こえなかった。


そして彼の家に着いた。普通のアパートだ。


「どうぞ」


その瞬間ドアチェーンまで彼は閉めた。そして私に襲いかかった。


「はぁはぁ…」


「やっぱり君は美味しい…」


男性は舌なめずりをしながら、また私に襲いかかった。私はそう言うこともあり得るかもと予想はしていた。でも、抵抗しなかった。というか私も男性に襲いかかった。


「あなたも美味しい…」


私達は初めてだったけど初めてじゃないくらい楽しい時間を過ごした。


「家、送るよ」


そして男性は私を送り届けた。


「ありがとうございました。」


年齢は聞いてないけど、20代前半。私よりも年上だろう。


「ううん、じゃあね」


「はい」


そして私はドアを開けた。その瞬間叫んだ。


「どうしたの!?」


男性はすぐさま戻って私のもとに来た。


「お父さんが…」


「!」


「「…」」


そう。父が首を吊っていたのだ。そこにはお酒があった。そして男性が口を開いた。


「多分、お酒を飲んだんだね。瓶もあるし。そのまま飲んで泥酔したけど、君がいないことに気づいて、自殺ってした。ってところかな。」


私は警察に連絡した。男性の言う通りだそうだ。この人一体何者なのだろうか?


「君は?親戚とかいるの?」


私は首を振った。


「いません。まだ成人してないから施設に入ることになると思います。」


「そっか。じゃあうち来る?」


「え?」


私は口を開けてぽかーんとした。どんな馬鹿面だったかは予想がつく。


「俺の養子になるってこと」


男性は苦笑しながら私にいった。


「いいの?」


「あぁ、君が嫌でなければね」


答えはひとつしかなかった。


「私、あなたの養子になりたい。」


本当はあなたに恋してます。なんて言える立場ではないので黙っておく。


「やっぱり君は綺麗だ。そして美味しそうだ。」


小声で私が聞こえるか聞こえないかの声で言った。


「あなたも綺麗でとても美味しそうよ。というか美味しかったけどね」


私は舌なめずりをした。そして、私は男性の養子となることが決まり、男性の部屋で住むことになり、ほとんど恋人状態になった。


「ただいま」


「おかえり」


ドアが閉じた瞬間キスをした。そして微笑み合う。


「会いたかった」


「少しだけだろ?」


「それでもだよ」


私は男性に抱きついた。


「今日はお楽しみできる?」


「あぁ、というか毎日だろ。」


そしてまた微笑み合いキスをする。それが日課になってる。


「やっぱり君はどこもかしこも美味しい」


そう言って男性は舌なめずりをする。


「あなたもとても美味しいわ」


そして夕飯を食べ、毎日のように一緒に寝た。


「君は俺のことが好きか?」


ある日男性は私に質問した。


「うん、好きだよ。」


「そうか、なら良かった。」


「あなたに言ってなかったことがあるの。私、お母さんが死んでからお父さんに執着されるようになったの。それが嫌だった。あなたに会えて良かった。」


「お父さんが嫌いだったのか?」


「そんな訳ではない。死んだときはとても苦しかった。でも執着の仕方が嫌だった。」


「俺は君に執着している。良くないか?」


「ううん、私はあなたが好き。執着の仕方が嫌だったら毎日あんなことしない。私はあなたの愛の形がそういうものだと思ってる」


「そうか。俺も君の執着の仕方が好きだ。ある意味俺等は似た者同士なのかもしれないな」


そして微笑みあった。そして彼女はずっと知らないことになる。父は大好きな男性に殺されたことを。


「君は綺麗だ。もし君が死んでも君を俺はおいしそうに思うよ」

そういって寝ている少女に向かって言った

読んで頂きありがとうございました。そして皆さんお気づきになりましたでしょうか?実はこの話すべての登場人物の名前が書かれていないのです。そして少女と男性のアイのカタチとは執着そのものでした。


よければ感想、誤字脱字よろしくお願いします。


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