転10 ガールズトーク
職場のカフェテリアで、玲奈と彩花は紅茶を飲みながら、今日の出来事について話していた。窓から差し込む柔らかな日差しの中、二人は自然とキャンプでの出来事に話題が移っていった。
「ねえ、玲奈ちゃん。この前のキャンプでの坂井さん、すごく頼りになったけどさ…普段の彼、ちょっとおっちょこちょいなところもあるよね?」
彩花が小声で笑いながら切り出した。
玲奈はクスクス笑いながら頷いた。
「そうなの!あの時はすごくカッコよかったんだけど…実は、デスクの下に落ちたペンを拾おうとして椅子ごとひっくり返ったのを見たときは、もう大爆笑しちゃったの。しかも、その後立ち上がって『これも筋トレの一環だ!』なんて言って、顔真っ赤にしてたんだから」
(玲奈の心の声:でも、そういうちょっと抜けてるところが、なんか可愛くて仕方ないんだよね。あんなに必死に自分を誤魔化そうとする姿が、逆に愛おしいっていうか…)
「わかる!コタローさんも、すごく頭がいいんだけど…この前、会議で使う資料を間違えて全然違うプレゼンを始めちゃってさ。気づいた時には、あのクールな顔が一瞬で蒼白に!でも、その後、全く動じてないふりして『まあ、これも重要な情報なので』って言い出したの。みんな笑いを堪えるのに必死だったけど、あれで逆に会議が和やかになっちゃって…コタローさん、すごいのかドジなのか、どっちなんだろうね?」彩花は目を輝かせながら話した。
玲奈はさらに笑いを抑えきれず、「それ、コタローさんらしいね!クールでしっかりしてると思ってたら、そういう抜けてるところがあるなんて…でも、それが彼の魅力だよね。なんか、完璧じゃないところが安心できるっていうか」
(玲奈の心の声:でも、そういうところが逆に親近感が湧くんだよね。頭が良くてしっかりしてるのに、たまに抜けてるところがあるから、私たちでもついていける感じがするんだ。)
「でもさ、坂井さんってあんなに元気なのに、本当に大らかだよね。なんていうか、困ってる人を見ると絶対放っておけないタイプというか…この前も、コンビニで店員さんがレジ打ちを間違えてたんだけど、『いやいや、大丈夫です!僕の方がミスに慣れてますから!』って、笑いながら自分で間違えたフリをして、その場を和ませてたんだって。すごい優しいんだけど…でも、普通あそこで自分がミスしたフリをする?」玲奈は笑いながら話した。
彩花もそれに笑いながら答えた。「本当に坂井さんらしいよね。大きな人だから、そういう優しさが余計に際立つんだよね。でも、ちょっとお人よしすぎるところが心配になっちゃう時もあるかも」
(彩花の心の声:でも、そんな優しいところがあるからこそ、彼がみんなに好かれるんだろうな。)
「でも、コタローさんもね、実は結構おっちょこちょいなんだよ。この前、カフェでホットコーヒー頼んだんだけど、間違ってアイスコーヒーを取っちゃって、飲んだ瞬間に『あっつ!』って大声出しちゃってて。店員さんが慌てて『それ、冷たいですよ』って言ったら、『そ、そうだったんですか…』って顔真っ赤にしてたんだよ」彩花は笑いながら話した。
玲奈はお腹を抱えて笑い、「それ、コタローさんのクールな見た目からは想像もつかないね。でも、そういうところがあるからこそ、彼のことがもっと身近に感じられるんだろうね!」と言った。
(玲奈の心の声:頭が良くてクールなのに、ちょっとしたところで抜けてるところがあるから、そこがまた魅力なんだろうな。)
「でも、こうして話してると、私たちが感じてるのって恋愛感情なのか、それともただの仲の良い異性の友達としての感情なのか、よくわからなくなるね」玲奈が少し真剣な表情で言った。
彩花は頷きながら、「うん、私もそう思う。コタローさんに対して特別な感情があるように思うけど、それが恋愛感情かどうかってなると…まだはっきりしないんだよね。恋愛ってもっとわかりやすいものだと思ってたけど、こんなに揺れ動くものなのかな」
「うん、坂井さんのことを考えると、やっぱり彼がすごく頼りになるし、素敵な人だって思うけど…恋ってもっとドキドキするものだと思ってた。でも、私が感じてるのは、ただ彼を尊敬しているだけなのかもしれないし…まだ自分でもよくわからないよ」玲奈は少し照れくさそうに話した。
彩花は微笑みながら、「そうだね。無理に恋愛感情だって決めつける必要もないし、今はただ仲の良い異性の友達として楽しめばいいのかも。きっと、そのうちもっとはっきりとした気持ちがわかるようになるよね」と提案した。
玲奈も笑顔で頷き、「うん、そうだね!彼らのちょっと抜けてるところも含めて、今はただ友達としての関係を大切にしよう。それに、こうして話してると、自分の気持ちが少しずつ見えてくる気がするし」と同意した。
(玲奈の心の声:それに、坂井さんともっと一緒に過ごせば、自然と自分の気持ちがはっきりするかもしれない。今は焦らずに、ただこの関係を楽しんでみよう…)
彩花もまた、その考えに賛同し、「うん、今はそれでいいよね。」と微笑んだ。
こうして二人のガールズトークは、「仲の良い異性友達」という結論に至り、彼らのちょっと抜けているところも含めて愛おしく思えるという気持ちを共有した。
2人とも、いまの関係性がとても楽しく幸せに感じていた。




