19 海外への説明、だが信じるわけもなく、結局隙があると考えられて攻め込まれる
霊気が日本を覆いつくしていく。
海外に逃げる事ができなかった、逃げる事を諦めた者達の大半が死滅していく。
その中には在日外国人も多数含まれていた。
霊気は人種・民族・国籍を問わずに襲いかかる。
彼らも日本人と同じく多くが死滅していった。
この状況に各国も動きだしていた。
自国民保護のために航空機や船舶を派遣した。
特に軍隊は即座に動きだす。
さすがに戦闘機や戦車、軍艦を繰り出すというわけではないが。
それでも命令一つで動ける組織は軍隊である。
民間の旅行会社や運送会社と違い、危険が伴う場所でも送り込む事ができる。
この為、輸送機や輸送船などを用いて自国民を保護しようと動きだしていた。
しかし、時既に遅しの場合も多々あり、活動の全てが上手くいったわけではない。
むしろ、日本に到着した各国軍も霊気に覆われ、その場で死ぬ事もあった。
これを理由に日本政府を糾弾する国は多数にのぼった。
軍人とは自国民が死んだのなら当然だろう。
それに死んでるのは軍人だけでは無いのは既にのべた通り。
文句も出てくるというものだ。
とはいえ日本政府に何が出来るわけでもない。
なにせ原因不明の理由で人が死んでるのだ。
対処のしようがない。
唯一効果のある対抗手段が祈祷などのオカルト手段なのも問題だった。
一応は説明したのだが、まともにとりあう国はほとんど無かった。
「これは、一種の毒ガスと思ってもらたい」
何とか分かりやすく説明しようと、日本政府はこういった例え話もした。
「各地で地中から知らず知らず漏れ出る有毒成分のガス。
これがあふれてるようなものだと考えていただきたい。
ほとんど自然現象なのだ、今起こってる事は」
実際、地震や台風・洪水、津波に自然発火の山火事などなど。
人知を超えた自然現象のようなものなのだ。
人間の力で封じ込められるものではない。
「しかも、原因が不明。
毒ガスにたとえるなら、成分が全く分からない。
研究・分析はしてるが、どうしても成分が分からない。
そんな状況だ。
我々に出来る事は、出来るだけ避難をすすめるコトだけだ」
しかも、有毒ガスというわけでもない。
いったい何が原因なのかもわからないのだ。
とっかかりがないから対処のしようがない。
いや、一応対処はしていた。
神社仏閣に霊能者と言った超常能力に関連する者達がだ。
彼らだけがある程度の効果を発揮していた。
それすらも時間と共に劣勢になり潰えたが。
この事も日本政府は一応は伝えていった。
各国は受け入れないだろうと思いつつも。
「我々から説明出来る事は以上だ。
あとは各国の判断に任せる。
好きにしろ、というのが本音だ」
外交交渉らしからぬ口調が続く。
崩壊に向かう日本政府としては、今更気にするような事ではない。
今後があるわけでもない。
交渉という対決をする意味がない。
なので、態度や口調など全く意に介さない、本音であるがままを伝えていく。
そんな日本政府を見て、各国も呆れる。
一部は、ここまでなるほどの事態なのかと危機感を抱きはしたが。
それよりも、頼りにならない日本政府を無視して独自に動く事にした。
何はなくとも自国民の救出を優先させていく。
とはいえ、これを絶好の機会ととらえる国もある。
韓国・中国・ロシアは人が死滅した日本列島を奪うために行動をはじめた。
表向きは自国民の救出のため。
よくある戦争の理由である。
この声明を発表するより先に軍隊を出撃させていたが。
かくて北の北海道からはロシアが。
九州北部には韓国が。
東シナ海を渡って沖縄・九州西部に中国が。
それぞれの艦隊・陸軍を送り込んでいった。
もちろんこれらも無事では済まなかった。
上陸した者達のほとんどは24時間以内に死滅していった。
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【よぎそーとのネグラ 】
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