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もったいない
カツン、と煙管をたたく女が、あんたスザクの従者なんだって?とシュンカをみる。
「はい。伍の宮でお世話になっております」と返事をしてから、ふとおかしな顔になり聞き返す。
「あの、・・・スザクさまのお身内のかたですか?」
「あたしが?この、ランねえさんが、あのクソ坊主の『お身内』だって?」
女は身をゆすってわらい、テっさんこの子おもしろいねえ、と煙草盆を片付けた。
ツバキを片腕で抱えたセイテツは笑わず、シュンカは素直で優しい子なのさ、と説明する。
「―― なるほどねえ・・・。おもしろいもんだ。 このあたしを身内だなんて思うとは、セリが喜ぶはずだよ」
参の宮の大臣を呼び捨てる女の顔を、シュンカはみつめた。
見つめ返した女がゆったりわらう。
「 《きれいなこ》だ。 スザクのバカにはもったいないよ 」