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おとぎばなし ― みつるとき ―  作者: ぽすしち


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33/48

ためしてみろ

甘さでかゆくなりそうな告白場面となります。

苦手な方はとびこえてくださるよう。。。

「おれ、すぐ泣くので、いっつも、迷惑かけてばかりで、あの、そんなに、困らすつもりなんて、ないんです」


「―― わかってる。あのな、シュンカ、ちょっと落ち着け」


 ベッドにだけつくった囲いの中、普段はおさえてあるシュンカの中のものがあふれる。


 スザクさま、とよけいに着物を引かれた。のぞきこまれるように、おれスザクさまの従者でいられてすごく幸せです、と告げられる。


「 ――― わかったから、ちょっと一度、着物をはなせ」

 この近さで、シュンカからあふれるものを直に感じてしまい、全身が総毛立っている。


 あ、とあせって着物を離すその顔をみていたら、また、こちらから手をのばし、その柔い髪をなでてしまう。

 このしぐさは何も、『蓋』を調整するためだけのものではない。

 ただ単に、触りたいと思うから触ることの方が、この頃は多い。

 

 シュンカが身をすくめるように頬をそめ、スザクに笑いかけた。

 いつもながら、その『気』の心地よさに、また、 ―― ぞわりとする。



 ふ、と見合った目が、なぜか悲しそうににじみ、そしてまた、謝った。


「すみません。スザクさま、おれ、いまからきっと、 ―― もっと、スザクさまを困らすこと、言うと思います」



 おもわず、坊主はにやりとわらう。

「困るかどうか、試してみろ」



 坊主の不敵な笑みに押されたように、意を決したシュンカが、息を整えた。




     「 おれ、スザクさまのことが、好きです 」



 まっすぐに、みつめる瞳からも、そのおもいが伝わるようだ。



 坊主は、静かに微笑み、そうか、と頭に手をのばす。

 そのまま頭をつかみ、ひきよせた。



 シュンカの口が、え?というように薄くひらく。


 あのなあ、と鼻先で坊主はささやく。



     「おれはまったく、困ってねえよ」



 近すぎるシュンカの眼が、驚きと戸惑いで色味を変える。

 だが、拒絶はみあたらない。


 気をよくした坊主はお互いの鼻先がつく距離でその眼をみすえた。


「 おめえは、こんなふうに、自分に『うそ』をつかねえのがいい」


「・・・・・・・」

 その声に、言葉に、視線に耐えられず、どうすればいいのかわからないシュンカは、ぎゅう、と目を閉じた。




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