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おとぎばなし ― みつるとき ―  作者: ぽすしち


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30/48

来た理由

あまりよろしくない表現あり



「あのな、先におれのはなしをきけ」


 そのままベッドに腰をおろした坊主は、手の届く近さで自分にむけられたいつもの素直できれいな眼に、満足する。


「 シュンカ、おれは、テツとは違うけどよ、これでも男だからな。女がほしいときもある」

 

 はい、と小さな声が、小さな口からこぼれた。


「それとは別に、セリに頼まれたもんを届けに、あのババアのところによく行く」


 ババア?おランさまはまだそれほど、といいかかける相手に手をあげて続ける。


「おれのはじめての女があれだ。 あっちはおれのことを男にしてやったなんて言うがな、こっちにすりゃ、あの女に喰われたようなもんよ」


 シュンカが赤い顔で、くわれる?と聞く。


「あの店の女どもはみんな、おめえみたいな何もしらねえウブな男を、舌なめずりしてまってやがんだ。うかつに寄れば、喰われんぞ」


 そんなわけ、といいかけるシュンカの口の前に坊主の大きな手が立てられる。


「テツのあの女だって、おめえにいやにすり寄ってたじゃねえか。 セリとは違う女どもだから、油断するんじゃねえ。 ―― だいいち、おれの居場所を教えたやつってのはどこのどいつだ?」

 

 思わずつめよると、身を引いたシュンカが、わかりません、と目をふせた。


「ちゃんとおれをみろ。―― なんで、そんなやつの言葉をきいた?」


「・・・す、・・ざくさまに、・・・会いたかったからです・・・」


「 ――――― 」


 予想していなかった返事に、坊主の思考が中断した。



「・・・おめえ、色街に興味があったから、来たんじゃねえのか?」


 それで、あの店に来たのでは?


 困ったように見合わせた顔が、横に振られる。


「じゃあ、・・・やっぱ、おれを、迎えに来たってことか?」


 ちがいます、とはっきりと否定される。


 あの、と何かを決意したような眼をむけられる。


「スザクさまは、・・・おランさまのことを・・・愛してらっしゃるのですか?」


「 ――――――――――― あ?」

 



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