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おとぎばなし ― みつるとき ―  作者: ぽすしち


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足をむけてしまう



 今朝の、坊主とのやりとりを思い出しながら、足元ばかりを見る。



 自分に『うそ』をついているだろうと聞くその眼と合わせていられずに顔をそらし、そんなことはない、と、またしても『うそ』をついた。


 『うそ』を嫌う、坊主にだ。



 気分はふさぎ込む一方だったが、平気なふりでどうにか過ごした。

 ありがたいことにスザクは朝飯あとすぐセリに呼び出され、セイテツは相変わらず部屋から出て来なかった。




 気分を変えるつもりで絵師にこの役を買って出たのだが、どうにも、おかしな具合になってしまった。




 

  ――― いるわけ、ないじゃないか・・・


 またしても、気分が下をむく。



 さきほどの女に何を言われたのか、シュンカ自身はよくわかっている。



 なぜあの女にわかったのかは考える余裕もなく、道を進む。



 ツバキを抱え、セイテツとともに進んだ道だ。

 色街の中を縦横にながれる川沿い。


 大きな柳の木を抱えたその建物に着いてしまった。


 見上げた上三階までの建物。

 どの廊下にも、人の影すら見えない。





   ――― おれ、なにやってんだろ・・・


 柳の枝をみていたら情けなくなってきた。



 踵をかえしたそのとき、シュンちゃーん、と若い女の声があがる。


 自分のことかわからないがとりあえず笠を押し上げふりむけば、やっぱりそうだ、と二階の廊下からツバキが手を振った。





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