表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/10

伝承学・・愛

民族学伝承学を学ぶ東雲雫しののめしずくと転生者、朝比奈輝あさひなひかるの時を超えたラブロマンス?なのかな?

雫を守ろうとする燿。の物語です。

 少しだけ、季節に合わせて伝承学とかあります。


「・・・・燿?どうかしたの?ぼーっとしちゃって」

「・・・・」

「燿ってば!!」

 なんだか上の空の 燿が気になって声を かけた。

 

 返事がない。

 燿の目の前で 両手を合わせて叩く。

 パチン!!


 すると、

「おい、なにすんだよ、びっくりするじゃんかよ」

 驚いた顔の燿が、云う。


「だって、何度も呼んだんだよ~。それなのにぼーっとしてるんだもん」

「それにしたって、、」

「燿ってば、時々そんなになるよね~心ここにあらずって」

「うーん、確かにそうかも?・・」

 頭を少し斜めに傾けて 右頬を 指で描く。

 照れた時や焦った時に やる燿の癖だ。


 中学校の修学旅行に訪れた。京都の広隆寺だったかな、、。

 全然、似てないんだけど・・雰囲気?仏像に似てるなんて、男の子にそんなこと言えないけどさ。

 もともと、仏像とかそういうのあんまり興味なかったんだけど、どうしてかそれだけは、記憶にあるんだよね。


 半跏の志位像はんかのしいぞう

 恋する仏像とか、泣き弥勒とかだっけ・・

 その仏像を 初めて見たときに 一瞬周りの時が止まったような?その仏像と自分だけの世界の中にとらわれたような気がした。

(よく覚えてないんだけど、ほんと記憶力よわ~い)


「で、今日は、どこまでトリップしてたのかな?」

「トリップ云うな~」

「では、トリッパーの燿くん!!今日は何日ですか?」

「それでもいうか、、2023年2月2日、木曜日です。」

「正解!!」

 そう答えて二人で笑った。


「さっきの雨音さんのメール、なかなかだよね~」

 うんうんとうなずきながら 読み返す雫。


「そうなんだけど、途中から惚気にしか聞こえないってか、、見えなかったけどな。」


「でも、今・現在・・雨が縁で結ばれてるって良くない?旦那さんの名前に『竜』の文字があるのも・・伝承学的には良い感じ。竜は、もともとが雨っていうか、水を司る神様的な存在だからね。」


 こう見えて、雫は、大学院の院生だ。民族学・伝承学を学んでいる。


「はいはい、出ました。雫先輩の売り文句ですか・・本当に好きですよね、伝承学」


「当たり前だのクラッカー」

ニコニコしながら雫が答える。


「先輩、それ・・いつの時代の言葉です?死語ですよ・・今時、誰もそんなの知りませんてば」

 呆れながら燿が云う。


「伝承学の中には、化学では証明できない事柄の答えがあったりするんだよ。ワトソン君!」


「誰が、ワトソンです?助手じゃないです!?まったく、いつも貴女は。」

 優し気な眼差しで 雫を見つめる燿になんだか落ち着かなくて視線をそらした。


「そういえば、明日は節分でしたね。先輩は、豆まきします?」


「節分か~、豆まきはしないよ。節分で豆まきって・・いろいろあってね。」

「そうだ、節分についてのあれこれ教えてあげようか?」

「ところ変わればでね。。いろんな節分があるんだよ」

 にこにこ顔で雫が、話始める。


(ああ、これは長そうだ・・話題まちがえたかな)

 後悔先にたたず。。。である。

 そして、今の時代の雫の話に耳を傾ける燿。


 燿は、女神の言葉の中に隠されていたことを後で気付いた。

『・・・・お主の知るあの娘とは、いずれめぐり合う運命となる。だが、それは今ではない。それと、「今の娘の傍でもない」』

 そう、女神は、今の娘ではないと確かに言ったのだ。そもそも、今の雫なら60歳に手が届く。

 同じ魂ということは、もうこの世にはいないのだろう・・結局、俺は、間に合わなくて、助けることが、出来なかったのか。

 だからこそ、今の雫の傍で見守ろうと決めた。

役に立たない雑学でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ