燿の中のxx(3)
雫の子供時代のお話です。
『呪うとは、何事ですか・?』
俺は、気が付くと死んだ時に いた瀑布の中女神像の前に戻っていた。
『暫く、待たれよと伝えたはずであるが・・・』
「暫くっていつまでだよ。。もう・・耐えられないんだ。」
『準備が、整うまでここで待たれればよかったものを・・自分であの娘の傍にいったのであろう?』
「そ、、それは、そうなんだけど・・何とかならないのか?」
『呪われては、叶わんからの~』
女神像の口元が、上がった気がした。
『この先、あの娘と関わるもので 間もなく命を終えようとしているものがおる。』
「・・・」
『男神の血筋の者じゃが、そなたとの相性も良かろう』
『その者の中に入って生きるのはいかがかな?』
「良く、わかんないけど・・そいつに憑依すれば良いってことか?」
『憑依とは違うが、ま、似たようなものか』
「いいよ・・俺、それで良い、雫の傍にいれるなら。。」
もう、四の五の言ってる暇はない。
『ふむ、では、そのように取り図ろう・・ただし、守ってもらわねばならぬことがある。』
「なんでもいい、雫の傍に居れるなら・・どんなことでも。」
女神の目が、俺の魂を見透かすようにじっと見つめる。
『汝は、これから入る体は、先ほど言ったように男神の血統よ。お主の知るあの娘とは、いずれめぐり合う運命となる。だが、それは今ではない。それと、「今の娘の傍でもない」。体の持ち主の魂と汝の魂が、混ざり合うことで、汝の記憶が、薄れてしまうこともある。これとて入ってみねば解らんのだ』
『そして、汝の記憶が残っている場合だが、汝の前世のことは、一切、他言無用じゃ。自ら話した場合、そなたは、魂ごと存在が消滅するかもしれぬ。さて、守れるかな?』
「大丈夫だ、絶対に守る!!なんか、ちょっと解りずらかったけど秘密は、守る」
『あい、わかった。それでは、そのように取り図らおう、そなたのこの先が幸大きことを願う。それでは、始めることとしよう。只今より、そなたの名は・・・・』
いつの間にか、俺の前には虹の橋が、かかっていた。
(これを渡れということかな?)
そして、俺は、虹に受かって歩き出した。
眼の前が,眩しく輝いている。
「っつ、、・・」
眩しくて我慢できない。そっと瞼をあけた。
そこには、見知らぬ白い天井が、あった。無事には入れたようだ、大きくため息をはいた.
「先生!!、朝比奈さんが、目を覚ましたようです」
パタパタとスリッパの音を立てて医師らしい男性が、やってきた。
「脈拍、、他モニター異常なし・・良かった・・」
白衣を着た初老の男性多分、(医師なのだろう)が、念のためにと俺の手を取る。
今一つ、状況が、解らないので、医師を見つめていると・・
「朝比奈君、あなたは車道に飛び出した子供を助けようとして怪我をしたんだ。覚えているかな?・・」
「・・・いいえ、何も・・・」
「ここに運ばれた時には、心配停止状態でね。一応、電気ショックで蘇生したんだが、意識が戻らず、昏睡状態だったんだよ・・本当に奇跡としか言いようがないんだ。解るかい?」
「とりあえず、ご家族に連絡するね、それまでゆっくりお休み・・」
そういうと看護婦に外にでるように促した。
(どうやら うまく憑依できたらしい)
目をつぶると 朝比奈 燿の記憶が、俺の記憶の中に流れてくる。記憶もうまく書き換えられているようだ。俺の中には、二人の記憶が存在する。
「女神様ありがとう、これで雫に会いに行ける。」
安心したせいか、眠くなってきた眠りに入る時に女神の声が聞こえた。
『ふふふ、、せんなきことよ・・ただ、約束を違えぬようにな。』




