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雨に愛されてる?

雨音さんの雨の追想です

・・・・・・・・・・☔


初めてメールさせて頂きます。

匿名希望の26歳 主婦の雨音あまねと申します。

雨に纏わるエピソードというと 兎に角多すぎて。

何から書こうかと迷ってしまいます。

本当にいろいろあるんですけど。


 私は、日本で一番雨の日が多いと云われる高知県の生まれです。

誕生日も梅雨真っ只中の6月25日・・その時点で 雨女確定?(笑)


 物心ついたころには、雨女伝説が始まっていました。

 学校の入学式・卒業式・遠足・・・全て雨です、晴の記憶なんてありません。

 体育祭も雨でいつも体育館の中でした。

(私が、風邪で休んだ時は晴天で校庭で開催されたようです。)


 なので、次の日 学校に行くと

「昨日、雨音が休んでくれてラッキーだったよ」

「ほんと、もうずっと休んでくれてても良いのにね~」

 陰口ではなく、聞えよがしに言われました、私が雨を降らせてるわけじゃないのにと思いました。

 周り全部が敵のような気すらしたものです。


 そんな中で一人だけ私を庇ってくれたのが、今の主人の竜我りゅうがでした。

 無口な彼は、一見 恐そうに見えますけど いつも私を守ってくれました。

 そんな彼との出会いも雨の日でした。


 私の両親は、いつ雨が降ってもいいようにと鞄の中に傘とタオルを持たせてくれてました。

 その日は、天気予報で午後から雨が降ると聞いていたのでいつも使ってる傘も持ってきていました。

 急に雨の振りが強くなったので 傘は持っていましたが、近所の本屋の軒下で雨宿りをして 強い雨をやり過ごすことにしようと軒下に。

 

 すると、そこには既に一人、雨宿りしている人がいました。

ぎりぎり二人が入れるくらいしかスペースはありませんから一応、声を掛けました。

「すみません、いいですか?」

と尋ねながら軒下へと入りました。


 あまりじろじろ見てはいけないのですが、雨宿りしてる人が、つい気にかかり見てしまいました。

 見覚えのある人だったからです。

 「・・・竜我・・君?・・」

 彼は、傘を持っていなかったようで、シャツもびしょ濡れで 俯いて震えていました。

 かなり、濡れて寒いのかな?と思いました。

 よく見ると、彼の腕の中には、白い子犬が大事そうに抱えられていました。

 子犬も震えていました。

「あ、その子犬どうしたの?あなたの家の犬?」

「・・・・・・・・・」

 彼は、無口なんでした。


「拭いてあげないと風邪ひいちゃう」

「・・・・さっき、拾った・・・・」

 小さな声で彼が、呟きました、顔は、見えなかったけど耳が真っ赤で恥ずかしかったのだと思います。

 

 彼の声、久しぶりに聞いた気がする。実は、ちょっぴり憧れの人だったりしましたから何となく嬉しかったりしました。


「ちょっと、待っててね」

 私は、鞄からタオルと傘を出して彼に無理やり手渡した。

「私、傘二本あるからよかったら使って。」

 子犬が、いるなら折り畳みよりも普通の傘のほうがいいだろうと思ったから

 彼は、タオルを受け取ると子犬を拭いてタオルに大事そうに包み抱きなおしました。

 

 暫く、二人は無言のままだったのですが、少し、雨が弱くなってきたので帰ることにしました。

私は、他に持った折り畳みの傘をさして帰ることにしました。


「傘とタオルは返さなくていいからね」

 と伝えると


「・・・・・・・あ、ありが・・・・」

 雨おとに消え入りそうなほどに小さな声でしたが、彼がお礼を言ってくれました。

 

 なんだか、とっても嬉しくて 急に恥ずかしくなってしまった私は

「風邪ひかないようにね~良かったら子犬の名前決まったら教えてね・・・またね」

と早口で言って、その場を立ち去りました。

一人で話してるようでなんだか、本当に恥ずかしくて。


 私は、今まで大嫌いだった雨の日だけど。

 大好きな彼と話が出来た、その日だけは、雨に感謝しました。

 


 次の日、学校に行くと、彼は、まだ投稿してませんでした。

 ひょっとして、昨日の雨で 風邪でも引いたんじゃないかと心配しました。

 お昼時間になって彼は、投稿してきました。

 

そして、私の所にきて 返さなくていいっていったのに、傘を返してきました。

「・・・昨日は、ありがとう・・」

「返さなくてもよかったのに・・・」

 彼の真面目なところも気にいってました。

 見ると傘と一緒に小さな紙袋が・・。


「・・・それとハク拭いたら汚れが落ちなかったから・・母さんがこれもってけって・・」

 彼の母から渡された袋と新しいタオルでした。


 正直、本当はすごくうれしかったです。

 こんな風に接してもらえたのが、初めてで ちょっと照れちゃいましたけど。


「あのこ、ハクって名前にしたんだ」

「・・・・良かったらハク見に来ていいよ。。」

 照れながら話す彼の好感度、バク上がりでした。


 それからは、雨が縁で彼と付き合い始めました。

 中学・高校・大学と一緒に未来を語りながら過ごしてきました。


 彼とのデートは、ほとんど雨。最悪です・・・『涙』

 たまに晴れていても急に曇ってきて、ドライブすれば・・雨雲と追いかけっこ。

 本当に呪われてるんじゃないかと真剣になやみました。


 で、驚くことが。


 雨女でも人生のメインイベントは、やってきます。そう、結婚式です。

 彼との結婚式・雨女なんだから雨は確実。

 なので、逆に考えて「最初から雨の日に式を挙げればいいんじゃない?」

 そんな、彼の母からの提案で 梅雨真っ只中の6月に式を挙げることになりました。


 6月、ジューンブライド。

 海外では幸せになれるという

 さて、ここまでで何となくわかりました?


 そうです。何年か前にあった初めての・・六月に観測史上初の台風がきたあの日です。

 もう、なにこれ?ですよね?みんなで笑っちゃいました。


 雨女伝説どころか、超常現象?

 いざという時のために参加者全員のホテルを予約しておいたので 事なきを得て、無事に結婚式はあげれました、備えあれば憂いなしってやつですね。


 ついでにもう一つ。

 新婚旅行には、初の海外旅行です。

 ハワイに行きましたが、雨季でもないのに毎日雨・・雨という、おまけつき。

 5日間の滞在で晴れたのは、帰国する日でした。


 雨のエピソードいろいろです。

 でも、主人と知り合えたのも雨のおかげなので 今は、鬱陶しいだけで雨の日、好きです。

 

 長くなりましたが、最後までお読み頂きありがとうございまそた。

                                     雨音♪

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