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今日も曇天、明日は雨  作者: 長谷川ゆう
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今日も祖父とラジオ

数年は、テレビも見ていないがラジオはもっと私の人生に縁遠い。



軍隊隊長なみに厳しい父親は

ラジオが異常に好きで、ラジオの情報を鵜呑みにしている。



偉そうにラジオの話を私と母親に話す時は、すでに私がTwitterで情報を習得済みだ。



美容室や故人の叔父が車な中で流していた、音楽のラジオは好きだ。



父親が聞くのは、大抵、雑学や有名人の押し付けがましいアドバイスのラジオだ。



故知とら人生で苦労して、人生すら辞めたい生活をしているのに人の考えている押し付けがましいアドバイスなんていらん。



可愛いハムスターに1時間噛まれていたほうが苦痛じゃないほどに、ラジオは苦痛だ。



だから、父親のラジオの話は聞かない。



だが、故人の祖父が聞いていたラジオは好きだった。



いつもは無口で静かな祖父が、家事の手をとめてリビングのテーブルにラジオを置く。



まだ小学生だった私は、ずっと同じ席で絵を描いてた。



昭和から生きている方なら御存知の方もいると思う。みのさん。



相談コーナーが午後のラジオが30分ほどあった。祖父は暑い夏に暑い緑茶を置きスタンバイする。


旦那の不倫、ギャンブル、無職、借金、全て奥様が辛い現実を話し、みのさんは真剣に「奥さん、辛いね~」となだめながら、特にアドバイスはしない。



じっと聞き入っていた無口な祖父が突然、口を開いた。



「バカ女が」

一瞬、私は色鉛筆を止めて祖父を見る。祖父は、決して人を罵るでも怒鳴るでも罵詈雑言を言う人ではないと、初孫である私が誓える。



だが、旦那に不倫されようが、ギャンブルでお金がなくなろうが、無職だろうが、借金があろうが、祖父は「バカ女が」と呟き続ける。



ラジオの向こうの奥様方には、祖父の声は聞こえていないからセーフ?だ。



30分が過ぎ、祖父はラジオの電源を切り感慨深そうに席を無口に立ち、また家事に戻る。



大人になってから、祖父は結婚は忍耐だと母親に言っていたらしい。



祖父母は、口ゲンカもなく2人とも静かで無口だ。だが結婚生活50年以上いろいろあったと話は聞いた。



ラジオの相談する女性は全員「バカ女」

祖父なりの誰も傷つけないストレス発散だったのだろう。



私もひたすら真似をする日がくるのだろうか。



今日もラジオは苦手だ。




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