表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
就職氷河期のララバイ  作者: 塩見義弘
11/15

第十話 この世の底

「研修? お前が行けよ」


「はい、わかりました」


「社長も相変わらずだな。あんな口先だけの詐欺師の喋りに金なんて出して」


「……」


 前にも言ったが、ブラック企業では非常に研修・セミナーの類が多い。

 ワンマン社長に限ってそういうのが好きで、自分でも意味不明な経営論を部下たちに語り、一人だけで変な夢や妄想に酔っているのだ。

 ワンマン社長ゆえに部下たちは誰もその間違いを正さず、面倒なので表面上だけ賛同する者も多い。 

 そうした方が、早く社長の傍から脱出できるからだ。

 こうしてさらにワンマン社長はおかしなことになっていき、それが訂正されるのは会社が潰れてから……潰れても、自分の間違いを認めない人も多いそうだが。

 そのくらいでないと、会社なんて経営しようと思わないという説もあるか。


 我が社でも定期的に研修に参加するようにと、本社から言ってくることが多い。

 社長の命令だからというわけだ。

 これに出ると、その分仕事が終わるのが伸びて不評なんだが、大塚店長くらいになると俺に押しつけるわけだ。

 

 今はいない、高尾店長などもその口であったが。


 わざわざで電車で研修が行われる会場に出かけ……当然、交通費は出ない。請求すれば、木崎君の悲劇の二の舞である……講師の話を聞くわけだ。

 こういう研修・セミナーの類に出ると、私と同じように死んだ表情をした人間の多いこと。


 彼ら講師たちは、うちのようなワンマン社長が経営しているブラック企業に積極的に営業をかけているんだろうなと思った。

 大企業なら、講師の方が勝手に会社に赴いて研修をやるからだ。


 わざわざ研修が行われる会場まで赴く私たちは、まるで蜜を巣に運ぶミツバチのようである。

 当然講師は女王蜂だ。

 ただ、ミツバチたちが巣に運んだ蜜で、女王蜂が豊かな生活を送れているかどうかは怪しいところである。

 売れっ子で、大企業などに引っ張り凧の女王蜂と、ここにいる女王蜂との間には、きっと大きな差があるのであろうから。


「〇イエーの創業者、中内氏は……」


 こういう研修では、大抵過去に大成功した経営者のやり方とか、発言などを取り上げて説明する。

 〇イエーに関しては、その末路は……わざわざ指摘してこの空気を不穏なものにする必要はないか。

 その前に、そんな大手の手法が零細スーパーに通じるのかというのもある。

 昔はその方法で成功しても、今も成功するわけもない。


 第一、本当の成功者はこんな研修やセミナーで無駄な時間を金を使わないだろう。

 

「本日はありがとうございました。実は、私はこんな本も出しておりまして」


 この手の研修やセミナーも、講師は競争があって大変なようだ。

 最後に、自分が書いたという本の宣伝を始めた。

 経営者になりたいのあれば、こうした方がいい的な内容だが、それをブラック企業勤めの社畜に進めてもな、と思う。

 自分で商売を始めようなんて気概のある奴は、そもそもこんな意味のない研修やセミナーに出席させる会社に勤めたりしないのだから。

 その手の本が好きなブラック企業経営者は多いので、彼らに勧めた方が売れるはず。


 実際、誰もその本を買おうとはしなかった。

 詳細な内容は不明だが、あまりぶ厚くもない、知名度もないコンサルタントの本が二千円近くもする。

 仕事が終わってから一杯やるか、ちょっと高い物でも食べた方が、精神衛生面から考えてもストレスの発散になっていいはずだ。


「みなさん! このままでいいのですか?」


 本が売れないとわかると、講師は突然叫んだ。

 初めてこの手の研修やセミナーに出る人は驚いたようだが、これも本を売るための方法なので気にしなくていい。

 いちいち時間が勿体ないからだ。

 現に、この場のいる半分以上の人間が無反応だった。

 きっと私と同じで複数回この手の催しに参加しているので、とっくに慣れてしまったのであろう。


「このまま会社でうだつが上がらないまま働き続けるのですか? このままではなにも変わりません! 一歩前に踏み出すんです! それを行うのに必要な方法がこの本に書いてあります!」


 何度か同じようなフレーズを聞いたが、この手の商売をしている人たちの間にマニュアルでもあるのであろうか?

 それに、もし意識を変えて働き方を変えたとしてだ。

 どう考えても、うちの会社でそれをやって成果を出しても無駄であろう。

 社長は自分のやりたいようにやるし、それに引っ付いているコバンザメ共は社長の犬としてそれに同調する。

 転職して、ちゃんと働いた成果が認められ、待遇も改善されるような会社なら努力もするが、うちのような会社で頑張ってもなと思わないでもない。

 

 第一、こんな公民館みたいなところを借りてセミナーをしている講師自身が、その業界でうだつが上がっているとは思えず、そういう一流の人たちは大企業なりに呼ばれて研修なりセミナーをしているであろう。


 講師と生徒が同レベルで、こういうものに社員を参加させて満足している経営者相手の商売なのだから、期待するってのも酷ではないだろうか。


「そうです! 明日からあなたは変わりますよ!」


 それでも、初心者は引っかかることもある。

 二名ほど、これを読んだからといってなんになるのだ、という本を購入していた。

 本を書いた自分で手売りしているような本。

 読んでためになるとも思えないが、私がそれに気がついたのは最初にそういう本を買わされたからだ。

 読んできたが、どこかで聞いたような抽象論ばっかり書いてあって、書店に並んでいるようなこの手の本とは比べものにならない。

 書店に並んでいる自己啓発本の中にも、読んでみると実は内容が薄いものも多かったけど。

 この手のセミナー、研修、自己啓発系の業界は半分宗教みたいなものなので、中にはとても親和性が高い人も多いのであろう。


 二千円近い本を読んで、それで心が落ち着くのであれば、内容が薄い本でも役に立っているという風にも捉えられる。

 

「(さあて、帰ろうかな)」


 私は、そっと席を立つと最寄りの駅まで歩き始めた。

 早く店に戻って仕事をしないと。

 これに出ているからといって、私の仕事が減るわけでもないのだから。


 そして翌日には、講師が喋っていた内容の大半を忘れてしまった。

 しかし問題はない。

 どうせ次に出席しろと言われたセミナーでも、別の講師が同じようなことを言うはずなのだから。




「売り切れだと! それなら売り切れの札を出しとけよ!」


「申し訳ございません」


「そんなんでよく店をやってられるな! 今の若い奴は無能なんだよ!」



 はっきり言おう。

 スーパーというところは、底辺に近い人間のたまり場である。

 客層は極めて悪い。

 勿論極一部だが、その比率は高い方であろう。 

 いわゆるBtoBと言われる企業間同士の取引ではなく、BtoCであるお客さん相手の商売においては、売っている物の値段が安ければ安いほど客の質は落ちていくものだ。

 こういう風に書くと差別だとか言われそうだが、こんなことはもう何十年も前から流通業界では常識となっている。

 高級スーパーで買い物をしているような層にも、性質の悪い客がいる。

 そう反論する人もいるが、別に金持ちだからといって全員の客層がいいわけではない。

 それでも、その極一部の悪い客の情報がその店や従業員の間で周知されるくらいには数が少ない。

 大抵のお金持ちは、鷹揚でそんなすぐには怒らないものだ。

 生まれがいいからであろう。

 勿論例外がいないわけではないが。

 

 あとは、商売などが上手く行った、いわゆる成り上がりという呼ばれる人。

 この中には、アクの強い人も一定数いる。

 急に金持ちになったので高級なお店を利用するようになったが、昔の習性が抜けきらないというわけだ。


 話を戻すが、スーパーには性質の悪い客が多い。

 今も、一人の初老の男性が私を怒鳴っている。

 目当ての商品が売り切れていたからだ。


「売り切れないように発注しろよ! 無能!」


 こういう沸点の低い客は、実は老人が多い。

 概ね、六十代から七十代であろう。

 クレーマー気質の人とスーパーで万引きをする人が多いというのは、ちゃんと統計でも出ていた。

 単純に老人が若者よりも多いからという理由もあるが、彼らが店員に絡んでくる率が高いのは、ようは暇だからである。

 働かず、年金暮らしになっている男性ほど厄介な連中はいない。

 自分は限りなく暇なものだから、店でちょっとでも粗を見つけると、鬼の首を獲ったかのように騒ぎ始める。

 その店の、店員のミスを強く論い、自分の正しさに酔うのだ。

 私たちは事を荒立てないように謝るので、それが余計彼らのプライドを満足させる。

 世の中には、老人の話を聞くだけで一時間数千円という仕事があるそうだが、スーパーで些細なことで店員にクレームをかけている層は、そういうサービスに使うお金がないか、使いたくない連中である。

 商品を買わずとも、店員を長時間拘束して好き勝手言う……本人は非常に有用な意見を言っていると思っているから余計に性質が悪い。

 本当はただの暇つぶしで、立場の弱い店員を好き勝手に怒鳴ってストレスを発散しているというのに。


 こんな老人連中が『敬老者』だと言われても、正直なところ敬う気持ちにもなれない。

  

 昔は平均寿命も短くて老人は少なかったから貴重だったのであり、今の沢山いる老人をいちいち敬っていたらキリがないとも言えた。

 沢山いるので貴重でもないというのもあるか。


「今の若い奴は無能揃いだな!」

 

 彼らは、自分たちこそが日本を先進国に押し上げた功労者だと思い、その能力に自信を持っているから、今の就職氷河期で苦労している若者たちを『やる気がない』、『能力が低い』と思っている。


 だから有能な俺様が注意してやっているんだ、と思っているのも性質が悪かった。


「俺が〇イエーにいた頃は、こんなことをしたら即始末書だったぞ!」


 そうなのか。

 発注予測が外れ、商品が早めに切れるなんてよくあることだ。

 なにしろ、スーパーには数千種類の品が並んでいるのだから。

 むしろ、昔の方が品切れする商品が多かったと聞く。


 それでも売り上げと利益が右肩上がりだったから、会社の方もそこまでうるさくなかったと聞いたことがあった。

 

「(〇イエーって、借金まみれで潰れるところを買収されたじゃないか……)」


 こんな老人は、定期的に出現するので、いちいち長時間相手にしていられない。

 私にも仕事があるのだから。

 お前は暇で、いくらでも時間があるからいいのだろうけど。


 スーパーは老人の暇つぶしの場ではないのだが、他の小売り業やサービス業も同じようなものだと聞く。

 それも客単価が安いところほど、厄介な老人がやってくるのだ。


「ねえ、文房具はこれだけなの?」


「はい。うちは小さな店舗なので。ここから五十メートルほど先に文具店がありまして、そちらなら品数も豊富です。もしよろしければ、そちらをご利用ください」


「まあ! 私にそんなに歩けっての!」


 厄介なクレーマーに、性別は関係ない。

 今も、六十代とおぼしき女性が大声をあげていた。

 周囲のお客さんたちの視線が一斉にこちらに集まる。


「いいこと! 私は〇藤忠にいて、こういうスーパーの棚の企画をしていたプロなのよ! わかる? 私は〇藤忠にいたの! このスーパーの棚割りはまるで駄目よ!」


 色々なクレーマー客の相手をしていて気がついたのだが、とにかく自称その道のプロ、現役時代の俺は私は凄かった自慢を織り交ぜつつ、こちらに苦情を言ってくる客は多い。

 この人も、〇藤忠にいたのだそうだ。

 大規模総合商社と、スーパーの品揃えと棚割りとの関連性については不明だし、この手のクレーマー客の話をまともに信じない方が身のためだと思う。

 

 他にも、『俺がスーパーのレジシステムの大元を一人で開発した』、『俺を怒らせると、お前の店に○○の製品が入ってこないようにするのは簡単だ』、『ここの社長は、昔俺の世話になっていた。俺を優遇しろ』など。


 わずかこの三年ばかりの間に、こんな零細スーパーに華麗な経歴の持ち主たちが集い、交友関係の広さというか、社長と知り合いという人は多いので逆に狭い交友関係というべきか。


 人が確認できないと思って、嘘というか大ボラを吹くものだ。

 それにしても、人は年を取ると丸くなるなんて嘘だな。

 若いクレーマーもいないとは言わない。

 だが、圧倒的に年寄りが多いのは事実であった。


「息子のことを考えていたらつい」


「(じゃあ、万引きするなよ。息子さん、もう限界なんだが……)」


 万引きへの対処。

 これも面倒な仕事だ。

 警察に通報?

 たかだか数百円の品を万引きした老人を警察に引き渡すとして、私がどれだけの時間を取られてしまうか。

 その間、この人がいない零細スーパーで仕事をしてくれる者などいない。

 注意して買い取らせるのが精々だ。

 これを聞いた第三者は、『警察に突き出すのが正義!』。

 それをしないお前らは、万引き犯を調子に乗らせて新たな犯罪を助長している。

 などと正義漢ぶって言うかもしれないが、本当に人手が足りないのだ。

 その間、私たちを批判しているあなたたちが代わりに仕事をしてくれるのか?

 警察に通報して、二時間も三時間も使っている暇はない。


 それに、この婆さんは万引きの常連だ。

 常連だから、すぐに捕まったとも言える。

 このクソ忙しい私に顔を覚えられるなんて、よほど悪質な常習者で、この手の老人の万引きはどうせ何度捕まっても直らないのが普通だ。

 うちも含め、周辺の店舗すべてで出入り禁止となっているが、出入り禁止にしてもすぐにやってくる。

 注意したって、まったく意味がないのだ。

 家族に連絡しようにも、この婆さんは一人暮らしだ。

 子供はいるらしいが、もう何度もあちこちから『あなたのお母さんが万引きをしました』と連絡が入るため、半ばノイローゼ気味だと聞いた。

 きっとこの婆さん、半分ボケているんだが、この婆さんを入れてくれる老人ホーム数年先まで予約が埋まっている。

 動けなければ問題行動も起こさないのだが、この婆さんは頭は壊れているが、足腰はとても頑丈だ。

 こうなると、長生きするのが必ずしもいいことではないのだなと思えてしまう。


 とはいえ、今も私にこの婆さんの息子さんを助ける余力などない。

 とっとと万引きした品を購入させ、店舗への出入り禁止を宣言した。

 まあ無駄だけどね。


「本当に、申し訳ありません」


 お詫びの言葉と共に店を出ていく婆さんだが、彼女の歩いて行った方は、やはり何度も万引きをして出入り禁止となっていると聞く別のスーパーの方角であった。


「あの人、またやるんじゃない?」


「だろうね」


 とはいえ、じゃあそれを阻止するためにあの婆さんにつき合うわけにもいかず、私はまだやらなくてはいけない仕事に戻るのであった。

 これで帰るのが一時間遅れるな。


 どうにも、老人を敬う気ににはなれない。

 これを公に言えば総スカンなのであろうが。




「いやあ、関東はいいですね」


「高橋さん、前は九州でしたっけ?」


「はい。あそこは、企業の営業や商売をしている人から見たら魔境ですからね。関東は比較的楽ですよ」




 うちは零細なので社員が自分でバイイングすることも多く、ちょっとノルマが足りない食品メーカーの営業が顔を出すことが度々あった。

 最近知り合った漬物メーカーの営業高橋さんは、数ヵ月前まで福岡の営業所にいたそうだ。

 

「関東人の私からすると、関西はちょっとガラが悪いって聞きますよね」


「いやいや、関西なんて全然大したことないですよ。本場は北九州です。あそこはマジでヤバイですよ」


「暴力団の本場とは聞きますよね」


「例えば店舗の店長なら、雇われでも暴力団に知己がいないと大変ですから」


「雇われでもですか?」


「雇われでもです。経済状況がそれほどよくないってのもありますし、地方は余計に不景気の影響をモロ被りですからね。暴力団にも入れてもらえないような無職のチンピラたちが、寄って集って脅かしてきますから」


 それを防ぐため、暴力団の知己がいなければ店主の職をまっとうできないわけか。

 ところが、その暴力団の知己に対してお礼を出さないわけにいかない。

 例え雇われでもであり、福岡周辺で店舗の店長をするのは大変なようだ。


「うちの会社も、定期的にありますよ。漬物にハエだの髪の毛が入っていて、それを食べたらお腹を壊した。治療費と慰謝料云々って話が」


 対応しないわけにいかず、かといって彼らの家に行くのは危険なので、とあるファミレスで話し合いをすることになったそうだ。


「軽自動車に乗った、金髪のいかにもな人が来ました。ヤンキーっぽい奥さんと子供たちも連れてね」


 ファミレス代が高橋さんの会社持ちだから、家族を連れてきて好き勝手に飲み食いを始めたそうだ。


「そんな本職いないでしょう? 奥さんと子供連れて、交渉相手の驕りだからって好き勝手に飲み食いするなんて。本職はそんな格好悪いことはしません。北部九州だと、そんな、ハンパなチンピラにもなれていない奴らが沢山いるんです。彼らはローテーションを組んで、店なりメーカーにクレームかけて、迷惑料名目で取ろうとしています。関西にもいなくはないですけど、北部九州が圧倒的に多いですね」


「凄い話ですね」


「そんなに大変じゃないですよ。面倒ですけど。交渉して迷惑料で二~三万も払えば終わりです。でもね、一番厄介なのは元々本職なのに、時代の流れについていけないのか、不景気が悪いのか。本職で切羽詰まったのがいるんです。私と上司、ヤクザの家に監禁されたことがありますから」


 クレームの電話が来て、仕方なしに行ったら、そのままヤクザの家に監禁されたそうだ。

 普通に生きていて、ヤクザに監禁された経験がある人は珍しいと思う。


「こちらが提示した金額に不満があったようで、その条件を釣り上げるために監禁されたんですよ」


「どうやって解決したんですか?」


「留守中に窓壊して逃げましたけど。向こうは監禁という犯罪行為をしていますし、まさか警察に器物損壊で訴えるわけにもいかない。そんな感じで、日本で北部九州が一番ヤバイかもしれませんね。他にも○○とか」


「○○?」


「その昔、泥棒集落とか、そんな記事で話題になったところです。そこでは、金がないヤクザが保険に入ってから自分で指を切り落とすそうです。保険金目当てだそうで。○○が一番ガチでヤバイって私は聞きました」


 そんなところで、スーパーの店員をやらずに済んでよかった。

 九州に行く機会がないので関係ないと言われればそれまでだが。


「そんなわけで、関東は楽でいいですね。少なくとも危険はないですから」


 食品メーカーの営業さんの方が、定期的に休みがあって、その他待遇もうちの会社より上であろうが、世の中に楽な仕事ないというわけか。

 それでも、どうせ同じ大変ならブラック企業ではない方がいいのは確実であったが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ