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第2話。 イヌさん

僕の日々は朝のゆっくり時間から始まる。


カーテンをがさっと開けて、外を見る。後ろ足で窓を蹴り開け(丁寧に)ベランダに。観葉植物がだんだん育ってきた。新しい鉢を化けさんに買ってもらわなくては。


前足で本とコーヒーを持ってゆっくり過ごす。時間は午前3時。ぶっちゃけ何も見えない。

犬は夜目がきくとは言うけど、僕は目が悪い。おかげさまでメガネ生活だ。


ずり落ちてきたメガネをコーヒーのふちで押しあげ、ため息をつく。


「ここはいいところだけど、もっと友達が欲しいなぁ。」


ひとりでつぶやく。


元々目が悪くなったのは本を読んでいるから。暗いところ狭いところ。明るいところ。暑いところ寒いところ。所構わず本を読んだ。その結果、目は悪くなり手の指は5本に分かれた。うーん。いいのか悪いのか。

とりあえず本が足りなくなってきたのだ。せめて本は増やしたいし、できることなら本で語れる友達も欲しい。


後ろを振り向けば自分の部屋が見える。四方の壁に付けられた本棚本棚本棚…そこには本がびっしり。これでも全部100回は読んでる。


「そろそろ飽きちゃうなぁ…友達って言ってもアテは無いし…第一こんな僕じゃ友達なんて…」


洗面台まで歩いていく。

「こんな姿じゃ、みんな怖がる…よね…」

細くて白い手足。小さい背。茶色い、ショートカットでボサボサな毛。黒縁メガネに対照的な白い肌。極めつけは…頭にある耳の他にミミがある。


いわゆるけも耳。僕は出来損ないだ。



お母さんもお父さんも分からない。ぶらぶらと放浪しているのをヒィちゃんのおじいちゃんに拾われた。

可愛がってくれたし、新しい服とあったかい部屋をくれた。

家賃は要らないって言われたけど、そのうち何かで払いたいな…

置いといて、僕は、どうしてこうなったのか覚えていない。いつの間にか起きたらこうなったし、本が読みやすくなっていた。鏡を見たらビックリしすぎて家具を壊しちゃったけど、笑ってヒィちゃんのおじいちゃんは笑って許して、すぐに直してくれた。ほんとうにいい人だ。


そう言えば春か…花は好きだけど僕は花粉症。くしゃみはうるさいってよく言われるからあんまりしたくないんだけどぅ…はっくしゅ!!!!!!


ふぁ…もう大変だ…

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