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奪う者

ジェラスの撤退によって一命をとりとめた

ナザードの管理者ファウン。

自分が人間たちをおもちゃにして遊びすぎた。

そんな落ち度があったとはいえ、管理者としての

力の大部分を失った事で、人間は存在してはならない。

という結論に達した。

その彼の表情を見て、トーレスの管理者であるソイルが

ファウンに対して何か言おう、と口を開いた時

ソイルの動きは封じられ、もはや何一つ

自分の意志で動かすことは出来なかった。

そしてそのソイルの背後にいつ現れたのか

プリペアドの管理者崔サイデンの姿があった。

「人間、という存在はあまりにも危険すぎる。

今、ここで彼らを抹殺しなければ

この世界を維持していく上で、大きな障害となるだろう」

身動きができないソイルに対して、ファウンが静かに語りかける。

返事ができないソイルは、何とか逃れようと全ての力をサイデンに向けた。

しかし抵抗も空しく、拘束が解ける様子は無い。

そんなソイルに対してファウンが言葉を続ける。

「力を奪われたのは、私の落ち度だ。

だが、私もこのままではいられない。

だから、申し訳ないとは思うが、君の力を使わせてもらう」

そう言うと左の手のひらをソイルに対して差し出した。

その手のひらにソイルの力が集まっていく。

言葉を発する事さえ出来ないまま、力を奪われたソイル。

そしてようやく、サイデンが拘束を解くと

ソイルはその場に崩れ落ちた。

その傍らに現れたのはゼンだ。

ゼンはソウルの亡骸を見て、感情を抑えきれなくなる。

それは、人間と長く接していたからかもしれない。

ゼンは勝てるはずもない、とは分かっていた

攻撃をすれば、ゼンは瞬殺されるだろう。

しかしそれでも、二人に対しての攻撃を抑えることができなかった。

唱えた呪文をは放とうとした時、彼の前に魔王女フィリンが現れる。

彼女はゼンの右手を、自分の両手で静かに包み込む。

ゼンの唇は、魔法を発動するための言葉を発しよう、としているのか

小刻みに震えていた。

しかし、それもほんのひと時。

落ち着きを取り戻したゼンの魔法は中断される。

それを確認したフィリンが、ゼンに背を向けて、ファウンたちに向きなおった

そして彼らに

「少し、やりすぎじゃないかしら?」

と言った。

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