不穏な空気
ディアスたちと別れたリッジはナザード大陸に到着する。
そんな彼らが港に降り立つと、周囲は異様な雰囲気に
包まれていた。
この時、既に魔王城の異変に関する憶測が交錯し
大陸全土が異常な雰囲気に包まれている。
ただ、リッジたちにとって幸運だったのは
二百年の時が魔王に対する危機感を薄れさせ
ある一部の不安を抱える者たちがいる中で
その他の大多数の者たちがどこか他人事のように
この状況を感じ取っており、大きな混乱や暴動などが
起こらない原因にもなっていた。
しかし、この状況に関してリッジたちは大きな危機感を抱いている。
それは、魔王復活から再び魔族によるナザード大陸制覇への不安ではなく
大陸における様々な噂などが、膨らんだ風船がはじけるように
一気に爆発し、統率の取れなくなった勇者の暴走に乗じて
魔王がこの大陸で人間同士の殲滅戦へと導く事だ。
既に一部の不仲な者たちの間では小競り合いも発生している。
これは、過去に起こった同じような諍いとは、大きく質が違っていた。
それらすべてを含めて、この大陸の状態を正常化するために
早急に魔王城へと向かうべく、リッジたちは先を急ぐのだった。




