審判の時に向けて
クロツ大陸の北にある山脈に連なる山地を
雷雲が覆っている。
急に降り出した激しい雨と落雷により
リジェルたち四人の魔王捜索は一時中断していた。
この大陸に到達してから手掛かりを求めて
探してはいたのだが、今の所、有力な手掛かりは
得られていない。
今回はこの山脈に棲む魔獣が魔王と戦った
という噂を聞いてきては見たが
魔獣の存在も確認することができない。
そこに突然の豪雨と落雷で四人は既にやる気を失っていた。
そんな四人の側に紫色の雷が落ちる。
眩い光に目がくらんでいた四人の視力が回復すると
そこには一人の男が立っていた。
彼は四人に向かって話しかけようとするが
聞いた事が無い言葉で理解する事ができない。
その様子を見た男性は少し考え込んでから再び
口を開いた。
すると突然四人の頭のなかに彼の思念が入り込んでくる。
そのあまりの強さに四人は吐き気を催し、膝をついた。
男性は彼らの苦しみを察知し、思念を止める。
そして再び考える仕草をすると、徐に口を開いた。
「あなたたちの知識と経験を私にください」
不快感から解放され、少し立ち直った四人のうち
ティージングが市の言葉の意味を確認する。
「おっしゃっている意味が分からないのですが?」
「失礼、この言葉に慣れていないので
何と言って良いのか・・・」
そう言うと、再び思念を放出する。
しかし、今度は強さを抑え、彼らに理解できるようになっていた。
その内容によれば、昔、この大陸が一つだったことや
三つの大陸の管理者の話などが四人の頭のなかに入って来る。
それは、人間をどうするか?
という判断を下す時が近づいたために、自分が現れたこと。
しかし、自分は管理者として直接干渉する事を望んでおらず
リジュアルたち四人に自分の力を与えて、他の管理者が選んだ者たちを
試すつもりだ、という情報が与えられた。
その思念を受けて、四人が一斉に攻撃のための体制を作る。
だが、その後は指先一つ動かす事ができない。
そして、男の力が流れ込み体を埋め尽くしていく。
ほんの数秒。
意識を奪われる訳でもなく、体も自由に動かす事ができた。
ただ、自分たちのなかに神の力の存在を感じる。
その圧倒的な力に対して四人は感動し、男の前に膝を屈した。




