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新たな同行者

ゼンの用意した馬車に乗って一行が辿り着いたのは

港町モッチャだ。

宿を探そうとしていた彼らの元にシダイズの使い

という者が現れた。

ミグリスが対応すると、どうやら宿を提供しよう

という申し出の他に、改めて話をする機会を持ちたいという事のようだ。

そんな彼らの思惑に警戒を示していたミグリスだったが

側にいたリッジの助言により、受け入れることにする。

紹介された宿に入ると食事などをして、しばしの休息を得た

魔王たち。

そしてそれを見ていたかのように、再び使者が現れて

シダイズの訪問を告げる。

その対応を誰がするのか?

ミグリスが皆を見渡すとリッジはレヴァの経過を診る。

という理由で同席を断って来た。

他家の事情に深入りするべきではない

というのも、理由の一つだった。

ペンは失った右腕の傷の回復のために部屋に籠っている。

ゼンは宿に入ってすぐに急用がある。

といって、出て行ってしまった。

そうなると、結局その対応をするのはミグリスとディアスの二人

に絞られてしまう。

その視線を感じてディアスが肩を竦める。

伝説の勇者でもそんな事をするんだな

などと思いつつ、暗黙の了解と言った感じで

二人はシダイズの元に向かった。

そして案内された部屋にはシダイズとその娘バニッティ

の姿があった。

そこで彼らが唐突すぎる発言をする。

彼らの言い分によると、自分たちは全て母であるソミンの指示で

動いていただけで、それがこんな大事になるとは思ってもみなかった。

このまま帰るわけにもいかず、途方に暮れている。

下手をすれば、実母に命を狙われるかもしれない。

どうか自分たちも旅に同行させてほしい。

その予想外の提案に言葉を失ったミグリスたちは

考えさせてほしい、という言葉と共に

早々にその場を立ち去った。

そして翌日、彼らの馬車には既に二人の姿があり

事情を知らないリッジとペンは昨日命を狙った人物が

今日は一緒に旅をしよう、としているのを見て困惑の表情だ。

そんな二人をものともせず、シダイズが口を開いた。

「否定をしないのは、肯定の証。

私たちの提案を聞き入れてくれたことに感謝する」

満面の笑みで放ったその言葉を魔王たちは無表情に受け止めた。

バニッティはというと、既にレヴァを膝の上に乗せ

笑顔で会話している。

その様子を見て、いまさら追い出せる雰囲気ではなくなってしまう。

こうして魔王たちの一行に、新たな勇者が加わったのだった。



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