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敗戦と再戦

時は少し前へと遡る。

ナザード大陸にジェラス(ボーンリス)の独断で正統勇者組合のエンビーへ

増援の依頼があった頃。

エンビーは事態の重要性を感じ取り、組織編制を増援部隊の編成を後の者に任せ

単身、トーレスへの渡航を決定した。

正統勇者組合に少し遅れてその情報が真正勇者協会 にも入って来る。

その情報を元に幹部会が緊急招集され、戦犯探しが始まる。

結果として、ボーンリスを仮の当主に推薦した幹部は失脚し

派閥が解体される。

次いで幹部会筆頭派閥になったフラタラー一派だったが

子飼いの勇者にボーンリスを超えるほどの人材はいなかった。

ただ、ボーンリスをこのまま放置してエンビーに借りを作ることは

パリット公国の公認勇者組織としての地位を不動のものにする行為

として、それだけは避けなければならなかった。

そこで考えたのが、人材がいなければ、数で勝負する。

という考え方だった。

幹部の中には、最初の派遣のでも同じような人数を送っている。

という指摘に関しては、前回は他の支部の能力低下を恐れて

能力の劣る者も含んでいたが、今回は能力の上位者しか連れて行かない。

というのが彼らの言い分だった。

そしてそんな彼らがトーレス大陸に向かう道中で

魔法の変革、紅い魔法陣の存在を知る事となる。

そんな彼らの中には、道中で紅い魔法陣を生成することができた者がいるため

その後は、全員が紅い魔法陣を生成できるようになると

自分たちの中で、紅い魔法陣が最強の魔法陣であり

それを使える自分たちも最強の存在だ。

という認識が広まっていった。

こうして大きな誤解を抱いた真正勇者協会の勇者で次期ジェラスは

初めは当主の座を嫌がっていたが、全員が魔法陣を使えるようになった頃には

当主としての風格と貫録を纏うようになっていた。

ただ、残念なことにこの雰囲気は聖獣の攻撃によって

脆く剥がれてしまう。

聖獣との戦闘に、絶対的な自信を持って挑んだ勇者が

目の前で倒れる様子を見て、全員に撤退命令を下す。

これは、戦闘に不安を感じていたボーンリスが様子を見ていると

恐怖に駆られて一人逃げ出そうとしたをジェラスにを諫めたからだったが

真正勇者協会でそのことに触れる者はその後もいなかった。

こうして敗走した結果、対聖獣戦闘に際しての被害が勇者一名だけだった

という功績を評価されていた。

そしてその彼が聖獣に対して、幻術を使って敵を翻弄し

その精神を封印する作戦を提案し、採用される。

こうして部隊が編成され、再び聖獣との戦いが開始されようとしていた。

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