利害の一致
魔王と勇者と伝承者の一同が和気あいあいと街道を進んでいる。
その後方から付かず離れず彼らの動向を探る者がいた。
南ナザード連邦の勇者商会会長のチャーバン
その姉であるソミンの夫、シダイズとその娘バニッティだ。
そのほかにもソミンの配下である勇者が周囲を取り囲んでいる。
彼らはミグリスがリッジと合流し、そして遂に魔王とも
行動を共にする姿を見て、これこそミグリスを公に排除する
大義名分ができたことに喜びを隠せなかった。
しかし、魔王と合流した宿を出たあとは
静かに時を待っていた。
シダイズたちにしてみれば、標的の最優先はミグリスであり
無用な流血を避けるために、一人で行動する時を狙うためだ。
ところが、これまでの彼の様子を見ても別行動をする気配がないようなので
総力を持って魔王共々倒してしまおう。
そういう考えに至ったのは、シダイズたちに近づく三人の伝承者なる人物が
関わっていた。
伝承者はシダイズたちに共闘を持ちかける。
伝承者の狙いはパナシアの原書にあったが、彼を倒す際に
同行しているミグリスたちを人質などに利用できれば
パナシアの力を抑止する事ができるのではないか?
と、考えたためだった。
また、シダイズたちに声をかけたのは
数が多い彼らに紛れ、的を絞らせない幕としての役割と
パナシアの攻撃を防ぐために盾としての使おうと思ったからだった。
こうしてお互いに思惑はどうあれ、標的の一行が分かれてしまう前に
攻撃を行う。
という事で話が着いたのだった。




