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旅は道ずれ

ゼンが席を外して向かった先は、パナシアにの所だった。

彼の部屋をノックすると中からどうぞ、という声が聞こえて来た。

その声に応じて中に入ると、そこにはパナシア一人だけが椅子に

腰かけている。

「お連れの方はどちらに?」

さして興味も無かったが、パナシアと二人だけで話したいと思っていた

ゼンが確認の意味で問う。

「彼は今、少年の容態を見ています。

症状は安定していますが、念のために」

それを聞いたゼンが提案をする。

「あなた方としばらく一緒に行動したいんですよお」

そう言いながら、目は笑っていない。

今回のパナシアの施術を見て、彼が魔王にとって危険な

存在になるかもしれない、という思いがゼンにこの提案をさせていた。

対するパナシアの答えは

「私たちと行動を共にすると、無用な争いに巻き込まれるかもしれません。

お止めになった方が良いでしょう」

と言うものだったが、ゼンにしては珍しく熱心に願い出て

ようやく、三間日だけ行動を共にするという約束を取り付けた。

これは魔王たちとパナシアたちの進む方向が三間日だけ同じだったから

という単純な理由だった。

こうして伝承者二名、勇者三名、魔王四名の団体が講堂を共にすることになった。

そして翌日、レヴァは昨日までの症状が嘘のように回復し

無事に宿を出発する事ができた。

この団体行動に喜んだのはレヴァで、初めて存在を知った伝承者や

本来、倒すべき敵である魔王たちに興味津々だった。

そして、伝承者であるヒダンは小さい頃からパナシアに弟子入り

していた自分とレヴァを重ね合わせてレヴァに多くの話を聞かせていた。

その話にはレヴァだけでなく、勇者や魔王たちも楽しんで聞いているようだった。

そんなヒダンの話は、伝承者の事から始まった。

伝承者は勇者や魔王の伝説を記すだけでなく、民族の伝統なども伝える

役割を持っている。

彼らはそれぞれ自分の体験した魔法や伝統などを、原書と呼ばれる自分だけの

本に記している。

この原書はたとえ親や兄弟などにも見せる事が無く

自分が死ぬようなことがあれば、原書を封印するか

師匠や弟子に託すことが多かった。

自分の生きて来た証を誰かに知ってもらいたい

と思う者は師匠や弟子に託し、危険すぎる秘術などが

書かれていた場合は、封印する。

という事が多かった。

ただ、一部の伝承者が他の伝承者を殺害して原書を奪い取る。

という事件も多く発生しており、労せずに秘術を手に入れる方法

とされていたが、標的にした伝承者に返り討ちに会い

命を落として原書を奪われる場合も多いので

よほど自身が無ければそんな事は考えられないだろう。

と締めくくった。

そして話は魔法陣に移っていく。

魔法陣は他の地方では魔法円とも呼ばれていて

円は縁だと言われている

そして縁が重なることで力が増し、縁が深まることで

さらに強い力になる。

そして巡り巡って新たな力が生まれるという話だ。

これは人が世の中に出て多くの人と出会い、縁を重ねると

その縁の中で深い絆が生まれてくる。

そこで生涯を共にする相手と出会い結婚をして

夫婦の間がうまく回ることで、子供が生まれてくる。

それこそが、勇者でも魔王でもない普通の人達が使っている魔法なんだ。

そこまでいうと彼らがその日に泊まる宿に付いたようで

ヒダンの話はそこで終わった。

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