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新たな脅威

フィリン達の前に立つヒダンは師匠であるパナシアの魔法施術が

完了するのを、リッジやミグリスと共に待っていた。

しばらく様子を見ていると、レヴァの表情が安定し

もう間もなく峠を越えようとしていた。

そんな時、宿の外に突然得たいの知れない者たちが出現する。

それを察知したヒダン他の勇者二人にはいらぬ心配をかけないようにと

一人で静かに部屋を離れた。

そして階下に向かおうと廊下を歩き始めた時

彼らと遭遇する。

そこでヒダンは訪問者の力の強大さを察知して思わず

「残念ですが、皆さんを通すことは出来ません」

と言ってしまう。

その言葉に答えたのはフィリンで

「私たちは、少年の関係者です。

封印の暴走により、少年の命が危険に晒されていることを知り

助けに来ました。

どうか、私たちを通してください」

となるべく丁寧にお願いをする。

しかしそれを聞いたヒダンは一瞬、ディアスに視線を向けるが

一呼吸おいて、こう答えた。

「御心配には及びません。

今回は私たちで解決できると思います。

安心して、お引き取りください」

パナシアの力に絶対の信頼を置いているヒダンはそう言って譲らない。

これに腹を立てたのはペンで

「大丈夫か大丈夫じゃないかは俺たちが決める。

だから、そこをどいてくれ」

ようやく声を出せるようになったというのに

第一声がこんな発言で、フィリンはややあきれ顔だった。

ただ、ペンにしてみれば、事情を知らない若造を

いきなり怒鳴らなかっただけでもましだ。

と思っていた。

そしてその場に険悪な雰囲気が流れる。

そこにようやく、施術を終えたパナシアが姿を現し

彼らに向かって

「どうぞ皆さま、部屋にお入りください」

と言って部屋に招き入れる。

ベッドには、施術のおかげかで穏やかな寝息を立てているレヴァ

の姿があり、その傍らにミグリスとリッジの姿があった。

彼らは魔王の存在期気付けなかった自分たちの力の無さを知り

万が一ここで戦闘になった場合に

一切の勝機が無い事を自覚して、ただ立ち尽くしていた。

そんな様子を横目に、ディアスが息子であるレヴァに近づく。

そして彼に施された封印とその状態を確認した。

少年の中では、勇者の力、魔王の力、神の力が

静かにゆっくりを融合しているはずだったが

今回の変革において、魔王に力に異常な反応を示した事で

封印が暴走を始めたようだ。

ここまではディアス達も予想しており

この事態を収拾するには封印の浄化と再構築が必要なはずだった。

そして、それが不可能なほど事態が進行していれば

魔王たち全ての力でレヴァを抹消しなければならない。

ところが現状、レヴァの症状は安定し

さらに封印に手を加えられた様子もない。

それを知って魔王達は一応安堵する。

ただ、ゼンだけは今回の事態の収拾に関して

施術を行ったパナシアを見つめながら

もし、これが彼ひとりの力で行われたのであれば

我々にとって、相当危険な存在だ。

彼の考え如何によっては、恐るべき敵となるだろう。

そう思いつつ、ゼンはパナシアに対して

深々と頭を下げ、礼の言葉を述べたのだった。

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