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未知なる力

クロツ大陸の魔王女たちはノーティーの話を聞いて

大陸の北にある山脈で魔獣と老婆の存在を探していた。

そして遂に、魔王女は百数十年ぶりに魔獣と対面する。

それはもはや魔獣という異形な姿ではなく

魔王女フィリンと変わりのない人型の存在だった。

「久しぶりだね、フィリン」

再会を果たした魔獣の言葉にフィリンは驚愕する。

本来、この世界において、魔獣の自我は封印され

人間と融合することで、実体化するようになっている。

それはフィリンがこの世界の人間の意志を魔獣に反映させ

契約者の思い通りに魔獣を操ることが出来るようにする

というのが目的だったからなのだが、この魔獣は自らの意志を持ち

行動している。

そして、フィリンとの過去の記憶さえも持っているようだ。

そんな魔獣の存在に対して彼女が

「そうね、この世界であなたの記憶が蘇るなんて

誰がどんな魔法を使ったのかしら?」

それは自分のかけた魔法を超える者の存在に

警戒をして出た言葉だった。

魔獣はその問いに答えず

「あの時の雪辱をここで晴らさせてもらう。

そして私が勝てば、この世界の魔王は彼女でなく

このスニージングが務めさせてもらう」

その一方的な宣言に対してペンが

「なんだかよくわからんが、負け犬の遠吠え

ってことにならなきゃいいけどな」

とぼそりと呟く。

それが聞こえていたのか、不快感を露わにしながら

スニージングが呪文の詠唱を始めた。

それに対してフィリンとペンも詠唱を行う。

最初に完成したのはペンの魔法だった白銀の魔法陣が発動し

周囲にオーロラのようなカーテンが一瞬現れて、消えた。

魔獣の攻撃を警戒し防御を目的とした呪文だったため

魔獣の行動には変化が無い。

しかし、放たれた魔法の効果を理解したのか

魔獣が薄く笑いを浮かべる。

そしてその時、魔獣の魔法が完成する。

紅い魔法陣から矢が放たれ、フィリン達三人に襲いかかる。

その攻撃が三人に到達しようとするが、それはわずかに

減速したように思えた。

恐らくはペンの魔法の効果だったのだろう。

そのおかげか、三人は何とか攻撃をかわし

次いでフィリンの魔法が完成する。

彼女の放つ魔法陣からは紅い電撃が魔獣に向かって襲いかかる。

だが、その攻撃が魔獣に届く寸前で阻まれた。

その魔獣の足元には、黄色い魔法陣が輝いている。

それを見たゼンは

「ここは一度、出直した方がよそさそうですねぇ」

と、フィリンとペンの肩に手を置いた。

そして

「あれ?」

そう言って少し困った顔をする。

彼は三人で空間を転移しようと考えていたのだが

その魔法を魔獣によって封じられていた。

そこでゼンはフィリンとペンに向かって

「残念ながら三人で逃げる事は出来ないようですねえ。

ただ、私はこのまま死ぬわけにはいかないんですよ

残念ですが、後はお二人にお任せします。

生きていれば、また会いましょうねえ」

そう言ってゼンは一人、その空間から消えていった。

残されたフィリンはペンに

「貴方が頼りないからこんな事になったのよ」

と冷たく言い放った。

それを聞いて、ペンも反省したのか

「とりあえず、何とか生きて帰ろうぜ」

と返事をしてみる。

そして魔獣スニージングは自分の結界を抜けられた事に

腹を立て、この二人を確実に始末するため

新たな魔法の詠唱を始めたのだった。

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