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過去の盟友

クロツ大陸の魔王女達が店で会計を済ませた後

彼らに近づく男がいた。

どうやら会計の時に支払った通貨が二百年も前に使用されていた物だと

気が付いて話しかけてきたようだ。

三人にとっては以前いた時代のありふれたものだったが

彼にとっては貴重な物らしく、盛んに入手経路を聞き出そうとしてくる。

そんな状況に辟易していた三人が何とか穏便にその場を離れようとすると

更にもう一人、話に加わって来る男がいた。

最初に話しかけてきたのはパリット公国非公認勇者の支部の者で

魔王女達が財宝の眠る遺跡などを発見したと思い込み、その所在地を

知ろうと話しかけていた。

そして後から来た男は南ナザード連邦の勇者の支部の者で

クロツ大陸が彼らの尊敬する勇者コムによって平定された

という自負から、この大陸に関しては他の勇者に対する対抗心が大きく

そのせいで、大小様々なトラブルが起きていた。

今回もただの観光客に対する勧誘であれば勇者商会も感知しなかったのだが

新しい遺跡や遺産のなどの可能性が出てくると、他の勇者に遅れを取るわけにはいかなかった。

そんな二人の言い争いや勧誘に関して魔王女フィリンが徐々に

苛立ちを募らせていく。

そこにに追い打ちをかけるように三人目の男が現れ、皆の事情を聞いていく。

そして彼は勇者の二人を追い払い、三人に対して丁寧に詫びた。

彼の名はノーティーと言い、彼の先祖はバナヤーハットベルクと共に

この地で解放軍と戦いったワイフの子孫だった。

彼は毎年この時期になるとここを訪れ、ベルクの慰霊を行っていた。

この行事は彼だけでなく、過去にワイフと同様と共に

ベルクを裏切った、とされるダロアの子孫との交流が密かに続けられていた。

この交遊が始まったのは、過去にワイフが飛龍を手配し

ダロア達の元に食料を届けてから、彼らの生活が安定するまで

密かに援助を行っていたからで、その後、不毛な北の大地で

貴重な魔鉱石が発掘された時には、一番にワイフの子孫に声をかけるなど

その絆はベルクがいた当時よりも深まっているようだった。

そんな姿を見たペンは懐かしいベルクとの日々を思い出し

少し目頭が熱くなってしまう。

そして同時に、勇者コムに対する怒りが再び沸いて来る。

そんな彼の気持ちと体を置き去りにして

フィリン達はノーティーの屋敷に招待される

彼らの存在がそうさせたのかもしれない。

フィリン達は、そこで現在のクロツ大陸に関して、いくつかの情報を手に入れる事ができた。

まずはクロツ大陸の魔王女が討伐された時、大陸の南で発見された魔獣

に関しての情報だが、その後の混乱により、詳細不明。

ただ、彼らの住んでいた土地の近隣の山に魔獣らしき存在が

確認されている、という情報があった。

その代わりに、北の山脈で魔獣らしき存在が確認されていて

その傍らにバナヤーハットの魔法使いだった老婆の姿があった。

という噂もがあり、その老婆が魔獣を操るのに黄色の魔法陣を使っていた

という話まで出ており、かつて白銀の魔法陣しか見た事が無い目撃者は

神話の世界から現れた神が魔法を使ったのではないか、語ったらしい。

この話を聞いてフィリンはゼンと顔を見合わせ

これから向かう目的地を確認しあった。

そこにようやくペンが現れ、不満を口にしていたが

その様子を見ながらゼンが、少し用事がある。

と言い残して席を外した。

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