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勇者レヴァ

カルウ王国魔王城近くの農村で国営勇者リッジが訪ねた民家で

彼は勇者の末裔である母子と夕食をとっていた。

リッジが自分の身元をあかし、初代勇者ディアスの伝説を話して聞かせると

目を輝かせてのめり込んでいた。

やがて夕飯も済み、日中の仕事による疲れからか少年は一人、寝室へと向かう。

残された母とリッジはこの先の事について話し始めた。

「まさか、こんなに早くいらっしゃるとは思いませんでした」

その言葉に彼も頷く。

「ですが、こうなった以上、私は彼と共に向かわねばなりません。

彼の父、そして私の偉大なる先祖、勇者ディアスの元へ。

ただ、そこで彼の勇者としての資質が覚醒しなければ、彼は命を失うことになるでしょう」

抑揚が無く、淡々とした口調で母親に語り掛けるリッジ

それを聞いて、母は

「他にも勇者の子孫がいるではありませんか

そしてあの子の父のディアスも勇者なのでのはず。

なのに何故、あの子がそんな試練を受けなければならないのですか?」

こんなことをリッジに尋ねても、返事をすることができないのは分かっていて

なお、そう言わずにおれなかった。

重苦しい沈黙が続き、ようやくかすれたような声でリッジが答える。

「全ては魔王の存在が原因なのです。

しかし、私を含め今の勇者の末裔では、恐らく力が及ばない。

そして、このままではこの世界が滅びてしまう」

その絞り出すような声は、勇者の末裔でありながら

自分の力によって事態の解決が行えない悔しさが含まれていた。

普段、自信に満ち溢れ、国や人々を守る国勇の代表者であるリッジの

弱気になった姿を見た彼女は覚悟をきめて言う。

「あの子を宜しくお願いします」

彼女にとって、自分の前に勇者ディアスが現れ、彼の子供を授かった時から

覚悟していたことだった。

しかし、リッジの訪問があまりにも早かったために

感情が抑えきれず、言葉として溢れ出してしまう。

そんな彼女の表情を見たリッジは少年に今後の事を伝えるべく

出直すことにした。

そして翌日、朝早くからの訪問に母親はもう嫌な顔はせず

朝食を用意した。

リッジは母親と少年と共に朝食を済ませ

母がパートに出る前に少年に語り掛ける。

「レヴァ、今日から君は勇者として魔王討伐の旅にでる。

これは昨日、君のかーちゃんにも話て了承してもらっていることだ。

後は君の気持次第だが、どうかね?」

レヴァはうんうんと頷きながら聞いていたが

内容としては旅行にでかかけるという程度にしか認識していないようで

無邪気に喜んでいた。

唯一、母親が一緒に来ないことを残念がっていた。

しかし、旅立ちにあたりリッジからある物が手渡されると

興味は既にそちらに移っていた。

「これは、私の祖先である初代勇者ディアスが行方不明になる寸前まで

肌身離さず持っていた封印の水晶だ。

今からこれを肌身離さず持っていなさい。

そうすれば、君の身に危険が迫ったとしても

その水晶が守ってくれるだろう」

その言葉を聞いてレヴィは大変喜び、ペンダントを首にかけた。

話しが済むとリッジは彼に旅立つ準備をするように告げる。

そして自分は再び宿に戻って行った。

その二日後の朝リッジはレヴィの家を訪れる。

その日は朝からあいにくの雨だったが

これからの旅に思いをはせているのか、レヴィの表情は明るかった。

恐らくは最後になるであろう母との食事を済ませた後

二人はクロツ大陸へに向かう為、南ナザード連邦へと向かうのだった。

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