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旅立つ前の注意事項

クロツ大陸のドステン平原は開拓され、冬小麦が間もなく収穫を迎えよう

としていた頃、真夜中の星空輝く天空に、紅い魔法陣が出現する。

その魔法陣から現れたのは三人の男女だった。

彼らは小麦畑に降り立つと周囲を見回した。

「出迎えが無いのは悲しいですねえ」

ゼンが寂しそうに呟く。

「出迎えなんてどうだって良いんだよ。

それより、早く出発しようぜ」

ようやく元の世界に戻って来たペンが二人を急かす。

「そんなに慌てなくても、コムは逃げないわよ。

それよりも、魔法陣は使えるようになったの?」

魔王女の問いにペンは

「いや、まぁ、それなりには・・・」

と言葉を濁すが

「使えると言っても、白銀の魔法陣ばかりではねえ・・・」

とため息をつく。

ゼンの言葉を聞いた魔王女は

「貴方は本当に魔王を目指しているの?

魔法陣に関しての理解が足りないのかしら?

もう一度ここで言ってみなさい」

その厳しい視線を受けてペンが恐る恐る魔法陣について

話し始める。

「えーっと、この世界での魔法陣は本来白銀であるが

この世界を超越した者達が使うことのできる魔法陣がある。

で、色が順番に下から白銀、紅、黄、緑、青、紫だったかな?

ってのがあって、そのすべての色を多層に組み合わせた魔法陣は

神の領域だって言うんだろう?

そのうえ、高度な色の魔法陣になると魔力の消耗も激しいし

ただ単に魔法を唱えても発動しない。

要するに、強大な魔力と魔法に対する理解力が無けりゃぁ

ただの雄叫びって事だろ」

ここまで言って、ペンが得意げな顔をするが

「そこまでわかってるのに、どうして紅い魔法陣を作り出せないのかしら?」

この一言に、ペンは俺だって頑張ってるなどと聞こえないように呟きながら

そっぽを向いてしまう。

そんな様子を見たゼンが

「まあまあ、彼も頑張っていることですし、そこは追々・・・。

ともかく、我々がここに来た理由は

この世界に蔓延る勇者を討伐し、魔物が住みよい世の中にする!

ってことでいいんじゃないかなあ?」

せれを聞いたペンは

「じゃあ、ラスボスは勇者コム、ってことで良いな!」

と、さっきの落ち込みから既に立ち直っている。

「とりあえず、まず初めの問題は、我々の名前なんだよねえ。

特に魔王女さんはなんて呼べばいいのかなあ?」

横目でちらちらと様子を伺いながら、魔王女に尋ねる。

「そんな事なら、初めから本名で呼べば良いでしょう。

私はフィリン、これからはそう呼んで」

その告白を聞いたゼンが少しヘコんでいるように見えた

何故なら、魔王達は自分と同様に名前が無いと思っていたからだ。

「勇者討伐も良いけれど、それぞれの大陸に散らばっている

勇者の魔法も調べる必要があるわね。

私たちが高度な魔法陣を使えるようになって、来るべき時を迎える為に。

その為に、今まで待っていたんですもの」

「そうだねえ、ついでにトーレスの彼らの様子も見る事にしようねえ」

「まあ、とにかく俺の最終的な目標はコムなんだよ。

だから、奴のアジトを突き止めるまでは勇者にやられる訳にはいかないぜ」

こうして、三者三様の思いを胸に初級魔王と見習い魔王、そして怪しい男の

旅が始まるのだった。


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